好調の中日・根尾、レギュラー奪取の現実味は? 他球団は冷静「打つしかない」

中日・根尾昂【写真:小西亮】
中日・根尾昂【写真:小西亮】

対外試合は3試合で5安打と打撃好調、充実のキャンプで着実に成長

 中日の根尾昂内野手は18日、巨人との練習試合(那覇)に「2番・遊撃」でスタメン出場し、6回に右前打を放った。ここまでの対外試合3試合で5安打とバットで猛アピール。遊撃のレギュラー奪取に向け、20日からは“倒すべき相手”である京田陽太が実戦に入ってくる。プロ3年目に目指す覚醒。現状を周囲はどう見ているのか――。

 沖縄・北谷町での1軍春季キャンプも後半戦。根尾は走攻守に濃密な日々を過ごしている。打撃は立浪和義臨時打撃コーチと“間合い”をテーマに振りまくり、守備は荒木雅博内野守備走塁コーチのゴロを捕りまくる。「去年はこんなにたくさん受けられませんでした。受けられるだけの体力がついたのかなと」。キャンプ前との違いも、確かに感じている。

 自身は「まずは守備から」と足場を固めるが、最も期待される打撃で早速結果がついてきている。今季初の対外試合となった13日のDeNA戦(北谷)では、3安打の固め打ち。16日の日本ハム戦(同)でも中前打を放った。ただ、振り返るのは快音よりも凡退の打席。その試合の先発で、開幕投手に内定している上沢には遊飛と三邪飛に倒れた。「まだまだ自分のスイングはできていなくて振らされている。改善点が多い」と省みる。

 アピールを続ける以外、1軍定着への近道はない。向かう相手は、プロ入りから4年連続で遊撃のレギュラーを担う京田。「NPBを代表するような名手の方」。追いつくまでの距離が決して短くないことは、根尾自身も強く理解している。

 勝機を見出すきっかけになりそうだと周囲が見るのが、やはり打撃面。京田は昨季の打率.247で、打率.250を上回ったのはルーキーイヤーの2017年だけ。他球団のスコアラーは、根尾の好守の向上は認めつつも「京田が打たないとはいえ、ショートの代わりが務まるかと言ったら今は現実的じゃない。けが人が出るなどしてポッとチャンスが回ってきた時に、そこで打てるか。打つしかないんじゃないかな」とみる。報道では「京田vs根尾」の構図だが、あくまで淡々と現場を判断する。

 少ないチャンスを確実にモノにすることで、開けるかもしれない定位置への道。そのためにも、過去2年間できなかった開幕1軍の座を最低でも射止めておきたい。順調に助走を始めたプロ3年目。覚醒のカギを握るのは、やはりバットで示す存在感になりそうだ。

(小西亮 / Ryo Konishi)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY