楽天19歳黒川、レギュラー奪取へ正念場 成長著しい若手に浅村ら実力者の壁

オフに藤田一也に“弟子入り”「ボールを長く見る打撃」吸収

 黒川は昨季、高卒ルーキーにして9月に1軍に昇格し、10試合に出場。飛躍への足掛かりを作った。シーズンオフには、二塁手としてゴールデングラブ賞3度、ベストナイン2度の実績を誇る38歳のベテラン・藤田一也内野手に“弟子入り”、自主トレをともにした。二塁守備はもちろん、打撃でも同じ右投げ左打ちとして「これまでは自分からボールに衝突しに行って距離を取れないことがあったが、藤田さんが長くボールを見て(逆方向の)レフト前へヒットを打つのを見て勉強になった」と語っている。

 前述の5打数5安打も一、二塁間を破る右前打、左翼線二塁打、右越え適時二塁打、左前打、詰まりながら中前へ落とす安打と、実に多彩な内容だった。単に調子がいいだけでなく、根拠があって結果が出ているといえそうだ。

 石井一久監督は「浅村を? まだ脅かさないでしょ」と辛口で、「二塁手はやるべきことが多く、一瞬気持ちが抜けるというか、次の準備ができていないことがある」と指摘する。守備中に野手の間に打球が落ちた際、ベースカバーが遅れたことなどを指している。

「戦いはこの1年だけで終わるわけではない。2、3年でイーグルスに厚みを持たせるために、そこらへんの次世代の選手に出てきてほしい」と石井監督は語っている。黒川がレギュラーの座を奪うのが「2、3年後」なのか、それとも今年になるのかは、出場機会が減るこれからのオープン戦で、少ないチャンスをどれだけものにできるかにかかっている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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