打撃優先でやっぱり外野が1軍の“近道”に 中日根尾が痛感する「遊撃・京田」との差

中日・根尾昂【写真:荒川祐史】
中日・根尾昂【写真:荒川祐史】

オープン戦初戦は「左翼」でスタメン、根尾が語る京田との実力差

 中日の根尾昂内野手が2日、オープン戦開幕となるソフトバンク戦(PayPayドーム)で「8番・左翼」でスタメン出場し、14失点惨敗の中で一矢報いる2点適時打を放った。3年目の今季は練習試合で希望の遊撃で起用されてきたが、首脳陣は好調な打撃を鑑みて外野との“両にらみ”を選択。ただ裏を返せば、現時点では遊撃のレギュラー京田陽太内野手には及んでいない状況を意味する。その差は、根尾自身もキャンプから感じてきた。

 2月の実戦8試合で23打数8安打、打率.348とバットで猛アピール。自身は遊撃での定位置奪取に目標を絞ってキャンプを過ごしてきたが、そのポテンシャルの発揮とチーム状況を見比べた時に「外野」という選択肢が出てくるのは当然だった。この日も早速バットでアピール。8回1死二、三塁で迎えた第3打席、初球の直球を左前に弾き返して2人を生還させた。

 沖縄での1か月間、背番号1を見ながらグラウンドで白球を追ってきた。この4年間、遊撃の定位置を守ってきた京田の動きを間近で感じられる時間。同時に、自らとは確実に違う実力差もよく分かった。

「1歩目が全然違います。他の選手のノックを見ていても、やっぱり京田さんは1歩目から打球までが速い。いろんな打球に合わせないといけない中で『そのバウンドで入るんだ』とか勉強になります。それに、捕ってからスムーズにスローイングを終えるまでの洗練された動きといいますか……。真似したいなとは思います」

 冷静に現在地を把握し、練習を積む。今キャンプでは、過去2年とは明らかな違いも感じた。「ノックがたくさん受けられました。去年はこんなにできなかったので、受ける体力がついたのかなと」。首脳陣も評価する着実な成長。根尾自身も「キャンプ前とは明らかに違うところが出てきていると思います」と手応えを感じていた。

「遊撃・京田」はなかなか揺るがない。ただ、その“倒すべき相手”からの言葉を励みに、練習に向かう。「『守備は(ノックを)受ければ上手くなる』と京田さんがおっしゃってました。その言葉を信じてやりたいと思っています」。山は高い方が、登った時の景色はいい。下からの突き上げは京田にとっても刺激となり、相乗効果が生まれていく。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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