「梨泰院クラス」の女優が野球少女を熱演 モデルになった日本の女子投手は?

日本の“ナックル姫”吉田えり選手の活躍もヒントに【画像:(c)  2019 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED】
日本の“ナックル姫”吉田えり選手の活躍もヒントに【画像:(c) 2019 KOREAN FILM COUNCIL. ALL RIGHTS RESERVED】

野球経験は一切なしも、40日間の猛特訓でスタントはなし

 スポーツ映画はプレーシーンが命だ。野球経験は一切なかったイ・ジュヨンは、ドラフト候補の選手に見えるように40日間、猛特訓し、スタントなしで全てのシーンをこなした。その身体能力には驚かされる。「私たちも最初、スタントなしで撮るのはできないと思っていたんですね。ところが、トレーニングを受けて2週間後に見に行ったら、ものすごく上達していたんですよ。これだけできるなら、代役を使わずに1人でこなせるのではないかと思いました。思っていた以上に本当に頑張って演じてくれました。私よりも速い球を投げられましたね」。

「梨泰院クラス」ファンには、うれしいサプライズもある。主人公の宿敵、外食産業のトップ長家グループの会長チャン・デヒ役のユ・ジェミョンが後半、重要な役で出演するのだ。「『野球少女』の撮影が終わってから、イ・ジュヨンさんはユ・ジェミョンさんがいる事務所に移ったはずなんですよ。同じ事務所になったので、(その後に撮影された)『梨泰院クラス』でまた共演されたんじゃないかと思いますね。私たちが撮ったときには全く本当に偶然でした」。

 さて、監督はプロスポーツをめぐる男女差はどのように考えているのか?

「身体的な差は確かにあると思います。でも、今は野球のように男女も一緒にやっているものはありますが、やはり女性が男性を相手に、競技をする時に大変さが伴うのは確かです。女性としての身体的な限界はあるかもしれないですが、いろんな方法を探せば、それは乗り越えられると思います。私自身は、スイン選手が今もどこかにいるような気がしています」。

将来、「野球少女」を見て、プロ野球を目指す女の子たちが増えるかもしれない。映画は、現実との折り合いもつけた着地点がお見事。韓流ドラマ好きだけではなく、野球好きも楽しめる。爽快、痛快、元気がもらえるエンタメになっている。

○チェ・ユンテ
2016年、韓国映画芸術アカデミー卒業。本作が長編映画デビュー作となる。短編映画監督作品に「Scooter」(07)、「Rough, Hard and Sad」(09)、「Test Flight」(12)、「Knocking on the Door of Your Heart 」(16)がある。

【写真集】40日間特訓したイ・ジュヨンのピッチングフォーム

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