怪我をしても「無理をしない」勇気を 甲子園3度出場の元プロ戦士が伝えたいこと

「自分の経験上『焦ってもしょうがないよ』と言ってあげたい」

「怪我をした時にどういうことができるのか。自分が最近、手首の手術を受けたりもしたので、体のことはある程度勉強しました。これは自分の経験ですが、腰が痛いから腹筋をするとか、怪我したからこそ、わかったことを今後、伝えていけたらいいなと思います」

 怪我で苦しんでいる球児は全国にいる。石井氏が選手に伝えたいことはどんなことだろうか。

「一番は自分の経験上、『焦ってもしょうがないよ』と言ってあげたいですね。その間にできることを探してやることの方が大事です。対戦相手のビデオを見たり、自分の映像を見て、悪い癖を直していくなど、見て勉強することを勧めます。復帰した時に、チームに溶け込めるし、試合にも入っていける。何よりもそれがチームのためにもなりますから」

 離脱が長引けば、結果的に自分のポジションを奪われてしまうかもしれない。石井氏の場合は無事にプロ入りすることができたが「焦って大怪我にしてしまうことが一番いけないし、後悔をする」「過ごしたその時間は絶対に無駄ではない」と語る。

「レギュラーを取ること、甲子園に出ることが全てではないんです。大学、進路などを優先に考えていく人生もいいと思います。言いたいことは、怪我を大きくしてほしくないです。積極的な休養を『もったいない』と思うかもしれないですが、自分には何ができるのか、考える時間にして欲しいですね」

 怪我との向き合い方だけでなく、様々なカテゴリーで野球を通じて学んだことを伝えていきたい。例えば、道具の大切さ、当たり前のようにあるグラウンドも管理をしてくれている方がいること。感謝の気持ちを忘れずに持っていてもらいたい。

現在は野球とは離れた物流業界で仕事をしている石井氏

RECOMMEND