好調な辰己、器用な小深田 楽天1・2番コンビは誰に? 指揮官が惚れ込むのは…

楽天・小深田大翔、辰己涼介、田中和基(左から)【写真:荒川祐史】
楽天・小深田大翔、辰己涼介、田中和基(左から)【写真:荒川祐史】

新外国人に来日のメド立たず“スモールボール”標榜

 就任1年目の楽天・石井一久監督は、コロナ禍で新外国人選手に来日のメドが立たない事情もあって、「現状では本塁打でポンと得点することはできない。細かい野球が大事になる」と“スモールボール”を標榜。とりわけ1、2番コンビの人選が鍵になりそうだ。

 打力を買って獲得した新助っ人のブランドン・ディクソン内野手、ルスネイ・カスティーヨ外野手が不在とはいえ、主軸には昨季本塁打王の浅村、茂木、島内と勝負強い打者が控える。それだけに、1、2番に誰を置くかがより重要となってくる。

 12日のDeNA戦(静岡)は雨天中止となったが、3月に入ってからこれまでのオープン戦5試合では「1番中堅・辰己涼介、2番遊撃・小深田大翔」を3度、「1番中堅・辰己、2番DH・田中和基」を1度、「1番遊撃・小深田、2番中堅・田中和」を1度試している。

 キャンプ、練習試合を通じて成長のあとを見せ、オープン戦でも打率.400(15打数6安打)と抜群の結果を残しているのが辰己だ。3本の二塁打が示すように、パンチ力も秘める。50メートル5秒7の快足の持ち主だけに、リードオフマン合格と言いたいところだが、石井監督は2018年9月のGM就任後初のドラフトで1位指名した辰己について「1番もいいが、3番を打てる素質があると思って指名させていただいた経緯がある」と決めかねている。「塁に出た時にもう少し(相手バッテリーに)プレッシャーをかけられる選手になれば、1番として理想的だと思う」と注文も付ける。

 2番としては、小深田の「作戦実行能力」を高く評価している。「エンドランをさせれば、高い確率で実行できるし、バントにしても、走者を進めることができて、自分も生きるバントもできる。ランナー一塁の場面で一、二塁間にしっかり強いゴロも打てる。小深田に2番はすごく合う」と絶賛。ただ、辰己も小深田も左打ちで、3番を打つ可能性がある茂木、島内も左打ち。1~3番に左打ちが並んでしまうことになるのが難点だ。

 そこで指揮官が「2番を打たせてみたい」とほれ込んでいるのが、スイッチヒッターの田中和である。オープン戦打率は.182(11打数2安打)と苦しむが、「アプローチが良い。自信を持って見逃した球をストライクと判定されて三振したりしているが、根拠を持って打席に立っている」と評価。「特に右打席が成長しているので、左投手の時に使ってみたい」と目を細める。辰己、小深田、田中和はいずれも20代中盤で、まだまだ伸びしろもある。

 ちなみに、昨季チームで最も多く1番を務めたのは、ルーキーだった小深田で71試合。トータルで109安打、打率.288、出塁率.364、17盗塁と合格点以上の成績を残した。91試合で2番を務めた鈴木大地は、今季は32歳のシーズンを迎える。石井監督は1年目のシーズンに、新たな1、2番を組んで勝負するのか、それとも昨季のスタイルに戻っていくのか。開幕までに残された試行期間はもう長くない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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