「オレが一番になるんだ」DeNA森敬斗が抱く“同期”佐々木朗&奥川への対抗心

DeNA・森敬斗【写真:荒川祐史】
DeNA・森敬斗【写真:荒川祐史】

唯一無二の選手に「目指している選手はいません。何をしても凄いプレーヤーになりたい」

 闘志をむき出しにしたのは同世代のロッテ・佐々木朗、ヤクルト・奥川の話題にふれた時だった。約20分のインタビューで「僕は~」と話していた19歳は自らを「オレ」と呼び、強いライバル心を見せた。

「もちろんそこは(意識しています)。同級生で交流もあって、色々と話したりしてきたので。同級生が活躍しているとなったら、オレも頑張らなきゃな、悔しいなとなります。そこはオレがもっと……。『オレが一番になるんだ』ぐらいの気持ちはすごくあります」

 3月。佐々木朗は最速153キロの直球で1回3人斬りデビューし、奥川も開幕ローテーション入りへアピールを続けた。報道で伝えられる両選手の活躍も全てカンフル剤だ。

「去年とかはたまに連絡したと思いますけど、最近は取ってないですね。(両投手の報道は)励みというより、オレもやらなきゃなという気持ちになります」

 今季から仁志2軍監督が就任した。巨人時代の1999年から4年連続でゴールデングラブ賞を受賞。打撃では右左の違いがあるとはいえ、通算1591安打、154本塁打を記録した強打者から学ぶことは多い。「『ちょっとやってみたら』と言っていただいて。手応えを感じていることもありますし、いろいろなことを教えていただいてます」と話し、守備で具体例を挙げた。

「ボールを捕ることを考えると、どうしても受けているような感じになる。そうではなく、ちゃんとボールを捕りにいく。守備でも攻める。守備で攻めようと話をしてもらいますね。僕の中で割と受けてしまっていた部分もありました。引き出しはすごく増えたと思います」

 仁志監督から「同じ年代では12球団でもトップクラスの選手。1軍のレギュラーとして出続けるために何が必要かを求めている」と大きな期待を受ける。だが、その素顔は19歳そのものだ。私生活について、少し照れくさそうに明かした。

「気持ちに余裕が出てきたのか分からないですけど、ちょっと部屋がキレイになりましたね。もともと整理整頓が得意ではなくて。物も多かったり、割とゴチャゴチャしてしまうことがあるんですけど、一人の人間として汚いことは損することだと……。去年、親に『掃除機が欲しい、買っといて』と言ったら、僕のお金なんですけど、ダイソンを(寮に)送ってくれました。(周りから)キレイと言われるぐらい整理整頓はしたいなと思っています」

 地元の神奈川・桐蔭学園高からドラフト1位で入団した。「目指している選手はいません。例えば坂本選手(巨人)になりたいとか、誰々になりたいというのは好きではないです。本当に、長打も打てるし足も使えるし、守備もいい。何をしても凄いプレーヤーになりたいと思っています」。熱いハートを胸に秘め、唯一無二のハマの新星を目指していく。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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