「向こうでユニホーム脱ぐ可能性も」 160キロ右腕・北方が“再渡米”で示す覚悟

「向こうのバッターが大好きな真ん中高めの真っ直ぐで」現在地を確認

 1年越しに迎えるマイナー本格挑戦。「まずは1年間、チームの戦力になりたい」。2011年のドラフトで1位指名を受け、3年間過ごしたDeNAでは1軍登板なし。育成として1年間プレーしたソフトバンクでも、その後に4球団渡り歩いた独立リーグでも、シーズン通して投げ続けたことはなかった。異国の過酷な環境でフル回転できれば、またひとつの経験値となる。

 メジャー昇格を目指す若き才能たちとの対戦に、真っ向からぶつかる。ストレートこそ、北方悠誠。ストレートこそ、さらなる未来を切り開くカギになるのは分かっている。

「ねじ伏せたい。向こうのバッターが大好きな真ん中高めの真っ直ぐで、どこまで勝負できるか。たとえ気持ちよく打たれてもいいんです」

 生半可な覚悟では、海は渡らない。もう27歳。NPBであれ、MLBであれ、最高峰への挑戦権を得るチャンスは確実に少なくなっている。「この先どうなるか、自分でも分かりません。また日本でプレーするかもしれないですし、向こうでユニホームを脱ぐ可能性だってあると思います」。用意される保証のない目の前の登板は、自らの剛腕で掴み取っていくしかない。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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