初の開幕投手、前田健太が“予告”していた第1球 ファンイベントで明かした真意

オンラインイベントを行ったツインズ・前田健太
オンラインイベントを行ったツインズ・前田健太

昨季で引退した岩隈久志がサプライズゲストで登場

 メジャー6年目で初めて開幕投手を務めたツインズ・前田健太投手。現地時間1日に敵地ミルウォーキーで行われたブルワーズ戦に先発し、5回途中2失点(自責1)で勝敗は付かなかった。その4日前の現地時間3月28日(日本時間29日)に「祝 開幕投手! マエケン オンラインファンミーティング!」を開催。今季への思いを語っていた。

 キャンプ地のフロリダ州からファンミーティングに参加したマエケン。まずはMCを務めたお笑いコンビ「おぎやはぎ」の矢作兼の質問に答え、開幕戦の初回、先頭打者の初球は「多分ストレート」と宣言していた。その理由を「相手が若手選手で、先頭打者本塁打を打って(メディアに)取り上げられようとしている場合は危険なのですが、ある程度何年かレギュラーでやっている選手なら、開幕戦の初球は振らないのが暗黙のルール」と独自の視点で説明。「もし初球がカーブだったら、僕はヤバい奴だと思ってください」と付け加えた。

 実際はどうだったか。1回、ブルワーズの1番打者でメジャー9年目、30歳のコルテン・ウォンを左打席に迎えると、初球は内角低めの147キロで見逃しストライクを取った。確かにストレート系だったが、きれいな回転のフォーシームではなく、ツーシームに見えた。結局ウォンを外角低めのチェンジアップで空振り三振に仕留め、続くケストン・ヒウラもチェンジアップで見送り三振に。この回は3者凡退の好スタートを切った。

 初球はともかく、最近は「(球種の)割合を変えた。メジャーではストレートを打たれることが多かったので、ストレート主体でなければいけないという固定観念を捨て、スライダーとチェンジアップを主体にしました。打たれないボールをどんどん投げていかないと」と明かす。この日もスライダー、チェンジアップ、カーブなどを駆使して好投。ところが、2点リードの5回に1死一、二塁のピンチを背負うと、勝利投手の権利獲得まであと2アウトという所で交代を命じられ、投球数88で降板。チームは9回に追いつかれ、延長10回サヨナラ負けを喫した。

 ファンミーティングでは、チャットや1対1のビデオチャットでファンからの質問に答えていた。前田と直接言葉を交わした感激で号泣する女性ファンもいた。「アメリカでぞくぞくしたこと」を聞かれると、ドジャース時代の2017、18年にリリーフでワールドシリーズ登板を果たしたことを挙げた。「緊張して投げたくなくて、吐きそうになった」と明かしつつ、「ブルペンから出ていく時の声援が凄くて、三振を取るとスタンディングオベーション。あの時の興奮、気持ちの高ぶりは今後もうないかもしれない」と述懐した。

 さらに、かつてマリナーズで6年間活躍し、巨人移籍後昨季限りで現役引退した岩隈久志氏、前田のものまねで知られるタレントのマネケンもビデオチャットでサプライズ出演した。前田が岩隈氏に「引退して、どうですか?」と質問すると、今季からマリナーズの特任コーチに就任した岩隈氏は「トレーニングをやらなくていいのがうれしかったのは、最初の何日間かだけ。コーチとしてユニホームを着た時、やはり現役で動けるのがいいと凄く思った」と返答。前田は深くうなずいた。一方、岩隈氏が「マエケンに似顔絵を書いてもらったことがあって、今も取ってある。めちゃくちゃ上手」と、ヘタウマな画風で「画伯」と呼ばれる前田をイジリ、笑いを誘う一幕もあった。

 異例のファンミーティングを終え、「すごく楽しかった。ファンの方々と直接話せて、泣いてくれる方までいた。応援してくれているんだと実感した。今季頑張れる力になりました」と語ったマエケン。「今季の目標はキャリアハイの16勝を超える18勝。ワールドチャンピオンになれるように、チームの中心となって頑張っていきたい。ツインズは打線もいいので、しっかり投げれば可能性はある」と決意を新たにしていた。

(Full-Count編集部)

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