開幕ローテ入りからの“完走率”は昨季50% 今季のパ・リーグ先発投手たちは?

2020年シーズン、ローテで存在感を見せたパ・リーグの投手は?【写真:荒川祐史】
2020年シーズン、ローテで存在感を見せたパ・リーグの投手は?【写真:荒川祐史】

「開幕ローテーション入り」は、その後の活躍にも直結するのか否か

 3月26日、2021年のプロ野球がついに開幕を迎えた。シーズン開幕を迎えるにあたって、先発投手にとっては「開幕ローテーション入り」が一つの目標となる。そのためには、ケガなく調整を進めるという大前提をクリアするだけでなく、実績を積み重ねたエース格の投手を除けば、練習試合やオープン戦でのアピールも重要な要素となってくる。

 多くとも1チームにつき6人しか枠がないこともあり、前年に先発として活躍した選手が開幕ローテーションを外れるケースもままある。では、熾烈な争いを制して開幕カードで先発した投手たちは、シーズンの最後までローテーションを守り抜けていたのだろうか。

 今回は、2020年シーズンのパ・リーグにおいて、開幕6戦目までに先発登板した36人の投手と、その年間成績を紹介。シーズンの大半でローテーションを守り抜いた投手たちについても抜粋して触れつつ、先述の疑問に対する結果を確認していきたい。

○日本ハム
 開幕投手を務めた有原は勝ち星こそ減少したが、2年続けてローテーションの柱として活躍。バーヘイゲンも来日1年目から活躍し、ほぼ年間を通じて先発の座を守った。故障の影響で前年途中までは中10日ペースの先発が基本だった杉浦も、登板間隔を詰めての先発が可能となり、10月半ばまで先発として登板を重ねた。

○楽天
 2019年に6年ぶりに規定投球回到達を逃した涌井が復活。NPB史上初となる、異なる3チームでの最多勝にも輝いた。前年は故障で長期離脱を強いられた則本昂も、月間2試合の登板に終わった9月以外はほぼローテーションを守り切った。塩見も防御率4点台とやや安定感は欠いたが、10月半ばまで先発として登板を重ねた。

○西武
 高橋光は自身初となる規定投球回に到達。先発陣の中では最も安定感のある投球を見せ、翌年の開幕投手の座も勝ち取っている。ニールと松本航は両者とも防御率4点台以上と安定感は欠いたが、ともに年間を通じてローテーションを守り抜いた。20試合以上に先発した投手が3人以上存在したのは、パ・リーグの中では西武だけだった。

○ロッテ
 美馬は規定投球回に到達して10勝をマークし、移籍1年目から先発陣の中心として活躍。石川も防御率こそ4点台ながら、リーグ最多の133回と1/3を消化した。また、プロ2年目だった小島も最後までローテーションの座を守り抜き、岩下も新型コロナウイルス感染による離脱期間を除けば、ほぼ年間を通して先発陣の一角に加わった。

○オリックス
 開幕投手を務めた山岡が序盤で戦線離脱を強いられたが、過去2年はケガに泣かされた田嶋が自身初の規定投球回に到達し、年間を通して先発の一角として稼働。山本は故障でシーズン最終盤を棒に振ったものの、自身初の最多奪三振に輝く活躍を披露。アルバースも勝ち星こそ伸び悩んだが、10月末までローテーションの座を守った。

○ソフトバンク
 開幕投手を託された東浜は惜しくも2桁勝利と規定投球回には届かなかったが、先発陣の柱の一人として奮闘。石川もほぼ年間を通して先発陣の一角を占め、最多勝と最高勝率の2冠に輝く大活躍を見せた。和田もケガに泣かされた過去2年間の苦境を脱して登板を重ね、年齢を感じさせない投球を続けた。

打たせて取る投球は、ローテを守り抜くことにもつながる?

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