今宮の超絶美技に凝縮された鷹の強さ 勝負を分けたオリックスとの“守備力”の差

工藤監督も絶賛する守備陣の働き「ああいうプレーの1つ1つが大きいと思います

 その裏、ソフトバンクは1死から甲斐が右前安打で出塁。続く今宮が四球を選ぶと、周東の左前安打で1点を返した。なおも2死一、二塁でグラシアルの打球は痛烈な二遊間のゴロに。オリックス・二塁手の大城はこの打球をスライディングしながら好捕。だが、一塁への送球が高くなり、悪送球に。これで2点目を返され、さらにピンチは2死二、三塁に。続く栗原が左中間を破る2点適時二塁打を放って逆転に成功した。

 この場面で大城が安全にワンバウンド送球を選択していたら……。どちらも懸命にプレーした結果だが、このワンプレーで現れる精度の差がこの試合の勝負を分けるポイントになった。この日、ソフトバンクは初回にも周東がビッグプレーを披露。連日、守備の光る試合が続いており、勝った工藤監督も「初回の周東くんだったり、ああいうプレーの1つ1つが大きいと思います。投手を助けてね。内野手が凄いと思いますよ。毎日1個、2個ありますからね」と絶賛していた。

 毎日のように好守を見せている今宮だけでなく、急成長を見せている周東、さらには乱れた送球を何食わぬ顔でキャッチする一塁の中村晃の働きも見逃せない。豊富な選手層、柳田らが顔を揃える打線、鉄壁の投手陣……。ソフトバンクの強さの要因は数多あるが、この守備力の高さも忘れてはいけない要素だ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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