呉念庭、若林、愛斗… 主力に故障者続出も、穴を埋める若手が躍動する西武の強さ

愛斗は9日のロッテ戦で2本塁打、若手外野陣の切磋琢磨に注目

 また、昨季までは2軍で腕を磨いた西川愛也外野手と愛斗外野手の大阪府堺市出身・花咲徳栄高卒コンビも1軍に昇格し、それぞれスタメン起用のチャンスも得ている。

 特に愛斗の成長は著しい。今季は松井稼頭央2軍監督より指名を受け、キャンプ期間中のキャプテン経験もした。「率先してチームを引っ張っていってほしい」という松井2軍監督の期待を背負った今シーズン。4月8日に1軍昇格すると、翌9日のロッテ戦で1試合2本塁打を放ち一気にブレーク候補筆頭に躍り出た。栗山、金子、木村文紀外野手といったリーグ連覇を支えたメンバーはいずれも30歳を超えているだけに若林も含めた、チームの次代を担うであろう若手外野陣の切磋琢磨も見ものだ。

 西武はこれまでも、抜けた選手の穴を生え抜きの選手が埋めてチーム力を保つ、あるいは向上させるというサイクルを機能させ続け、その結果として2018年からリーグ連覇を達成した。現在活躍する選手たちの活躍が今後も続き、そのまま主力へと成長していくかどうかは、これからのチームを占う上でも非常に重要なものとなってくる。

 今回挙げた選手たちがこの調子で奮闘を続け、主力選手が復帰するまで順位を上位にとどめることができるか。控え選手の出場機会増加は中長期的なチーム力の向上につながるという点で、必ずしも全てがマイナスというわけではない。「育成しながら勝つ」という難しい命題をクリアしつつ、来たる反攻のチャンスを待つことができるか。現在と未来の双方において若獅子たちの躍動がチームの命運を握ることになるはずだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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