初スタメンで3安打4打点の大活躍 開幕1軍から漏れた鷹・上林が抱えていた思いとは…

「気持ちが切れていたら今日こうやって結果は出ていなかったと思う」

 キャンプ、オープン戦とスタメン争いを繰り広げてきた上林だが、蓋を開けてみれば、開幕2軍スタート。レギュラーとして試合に出られないのであれば、2軍で実戦を積んだ方がいい。ベンチを温めるための選手ではない。そんな工藤公康監督、小久保裕紀ヘッドコーチの思惑から、ファームで声がかかるまでの日々を過ごしてきた。

「大人の事情もありますし、そこはいろんな思いありましたけど、気持ちが切れていたら今日こうやって結果は出ていなかったと思う。自分を信じてやっていて良かったなと感じですね」

 ファームでも淡々と己の打撃を磨き、状態を上げるように取り組んできた。とはいえ、いざ昇格してみると、その役割は代走や守備固めがメイン。そこのギャップは感じていたかもしれないが、「自分が感じていることは自分だけで収めればいいし、周りの人に思ってもらわなくてもいいので、周りを気にせず、とにかく自分の結果をと。自分の結果がチームのためになるので、そういう意識でこれからもやりたい」との思いで、この日の試合に臨んでいた。

 1か月半のファーム生活で上林の顔は見るからに日焼けしている。「まだ5月なんですけどね、こんなに焼けるかと。日焼けしやすいんでしょうがないですね」と笑うが、その表情からはファームで苦闘してきたことが窺い知れる。

 現状、デスパイネが不在で上林にとっては大きなチャンスでもある。レギュラーへの思いを問われた上林は「もちろんずっとそのつもりでやってますし、誰にも負けない気持ちで最後までやりたい」と力強い。ファンも待ち侘びていた上林のプレー。一気にレギュラーを奪還するくらいの活躍を期待したい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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