本塁打1本も、貢献度は10本のマーティンよりも上…セイバー指標で選ぶパ月間MVPは?

オリックス山本由伸はHQS5度、完封2度の安定感

【投手部門】
 投手評価には、平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す「RSAA」を用いる。ここでのRSAAは「tRA」ベースで算出。tRAとは、被本塁打、与四死球、奪三振に加え、投手が打たれたゴロ、ライナー、内野フライ、外野フライの本数も集計しており、チームの守備能力と切り離した投手個人の失点率を推定する指標となっている。

 各チームのRSAA上位3人は以下の通り。

楽天:則本昂大6.77、涌井秀章4.63、早川隆久4.59
ソフトバンク:武田翔太3.30、モイネロ2.55、津森宥紀2.35
ロッテ:鈴木昭汰3.83、佐々木千隼2.60、益田直也0.94
西武:平良海馬3.50、平井克典2.60、ギャレット2.52
オリックス:山本由伸7.48、宮城大弥5.88、山岡泰輔4.34
日本ハム:加藤貴之4.70、伊藤大海3.40、堀瑞輝3.33

 最も目立つのはオリックス。オリックスの先発投手陣は防御率、クオリティスタート(QS)率ともにリーグ1位の安定感である。

山本由伸
登板6、45回1/3、防御率1.39、QS率83.3%、被本塁打2、奪三振率7.74、K/BB6.50、被打率.202、被OPS.499、WHIP0.86

宮城大弥
登板4、28回2/3、防御率1.26、QS率100%、被本塁打0、奪三振率9.10、K/BB3.63、被打率.152、被OPS.408、WHIP0.80

山岡泰輔
登板6、38回、防御率2.84、QS率50.0%、被本塁打1、奪三振率9.24、K/BB3.00、被打率.217、被OPS.557、WHIP1.16

田嶋大樹
登板5、30回1/3、防御率2.97、QS率80.0%、被本塁打1、奪三振率7.12、K/BB2.18、被打率.212、被OPS.567、WHIP1.15

 特に山本由伸の投球は群を抜いており、7回以上登板し自責点2以内で抑えるハイクオリティスタート(HQS)が5度、完封も2度記録している。ストレートやカットボールでの空振り奪取率も20%近くあり、バットに当たったとしてもゴロ/フライ率1.40とゴロの山を築いている。

 よって、セイバーメトリクス目線で選ぶ3、4月の月間MVPに推挙する。

新人では3投手が奪三振率9超、楽天早川のK/BBは8.00

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