ハイレベルすぎるセ新人王争い 佐藤輝、栗林にも劣らぬDeNA牧の武器とは

鷹先発・武田に対しては先制の中前適時打など3安打をマーク

 新人離れした対応力を発揮したのは、殊勲打の場面だけではない。2回1死一、二塁では中前へ先制適時打。カウント0-1からソフトバンク先発・武田の得意のカーブを空振りしたが、直後の3球目に、続けて来たカーブを見事に捉えた。

「なかなか打てるものではないですが、試合前に映像を見ていて、前の1球も頭に残っていたので、うまく修正できました」とうなずいた。5回にも中前打、7回には右中間フェンス直撃の二塁打を放ち、好投手の武田を攻略した。

 開幕直後は打撃3部門全てでリーグ上位に顔を出す活躍ぶりだった牧だが、さすがにマークがキツくなり、5月中旬には打率2割6分台まで下降した。慣れない連戦、移動で疲労も見え始めた。打順は開幕から17試合は3番、その後16試合で5番を務めたが、5月16日の広島戦以降は下位の7番が定位置となっている。

 それでも「大学時代はそれほど睡眠時間を意識していませんでしたが、最近は8時間しっかり取るようにして、その日の結果を翌日に持ち越さないようにしています」とここでも対応力を発揮。成績も打率.293、9本塁打31打点(1日現在)と再び上昇しつつある。阪神・佐藤輝の.262、13本塁打38打点(同)に、勝るとも劣らない。ルーキー大豊作の今季、栗林らを含めたセ・リーグ新人王争いは最後まで熾烈を極めそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY