「こんなの見たらもう引退」ど真ん中に打者のけぞる…防御率0.62デグロムは「別次元」

パドレス戦に先発したメッツのジェイコブ・デグロム【写真:AP】
パドレス戦に先発したメッツのジェイコブ・デグロム【写真:AP】

フォーシームの最速は約164キロ、最遅は約158キロの衝撃投球

■メッツ 4ー0 パドレス(日本時間6日・サンディエゴ)

 メッツのジェイコブ・デグロム投手が5日(日本時間6日)、敵地でのパドレス戦に先発し、7回3安打無失点で今季5勝目を挙げた。11三振を奪う圧倒的な投球で、驚異の防御率0.62。速球の平均球速は100マイル(約161キロ)を超え、ど真ん中なのに打者がのけぞるほどの切れ味を誇るスライダーも。手のつけられない“無双投球”に、「こんなの見たらもう引退だ」「ジェイコブ・デグロムはもはやテレビゲームの世界。別次元の支配力」などと驚きの声が上がっている。

 強力パドレス打線を相手に、仁王立ちした。2、4、6回は走者を得点圏に背負ったものの、後続をピシャリと抑える投球。4回裏1死満塁では、カウント1-1から投じた92マイル(約148キロ)のスライダーがど真ん中に入ったが、打者のウィル・マイヤーズはあまりの変化に驚いて体をのけぞらたほど。そこから2者連続で空振り三振に仕留め、窮地を脱した。

 そのスライダーを「ピッチング・ニンジャ」の愛称で支持される投球分析家、ロブ・フリードマン氏が動画で公開すると、ファンも「デグロムはただただ別格」「ど真ん中の球に打者がひるむところなんて見たことがない。正気じゃない」と反応。異次元投球を象徴するシーンだった。

 開幕から好投すれど白星に恵まれなかった“悲運のエース”にも、ようやく結果がついてきた。MLB公式サイトのサラ・ラングス記者によると、自責点が両リーグで公式記録になった1913年以降では、開幕からの9登板で最も低い防御率に。1投球回あたり何人の走者を出したかを示す「WHIP」の0.57と、被打率.128という2つの数字も、少なくとも1901年以降では最も優れているという。

 MLB公式データサイト「Baseball Savant」によると、この日投じた85球のうち44球が速球(フォーシーム)。最速は101.9マイル(約164キロ)、最遅は98.2マイル(約158キロ)で、平均球速は100.4マイル(約161.6キロ)だった。ラングス記者は、デグロムが100マイル超の球を33球投げたことに言及。ピッチトラッキングが始まった2008年以降、先発救援関係なく1試合での最多記録だといい、まさに記録尽くめのマウンドとなった。

【動画】「こんなの見たらもう引退だ」 ど真ん中なのに打者のけぞるほどのスライダー

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