「これはダメだな」高卒2年目左腕に翻弄された鷹打線 工藤監督が呈した苦言と反省

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

広島先発の玉村の前に6回まで三森が放った3安打のみに封じられたソフトバンク

■ソフトバンク 1ー1 広島(10日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは10日、本拠地PayPayドームで行われた広島戦に1-1で引き分けた。広島先発の高卒2年目左腕・玉村の前に打線が沈黙。6回まで三森が放ったヒット3本に封じられた。8回に同点に追いついたものの、勝ち切れず、試合後の工藤公康監督は思わず苦言が口を突いた。

 6回まで放った3本の安打は1番で起用された三森1人で放ったもの。2番から9番まではノーヒットと20歳の玉村に翻弄された。ストレートとスライダーを軸に、しっかりと内外角に投げ分けてくる左腕の前に沈黙。6つの三振のうち4つが見逃し。8回1失点と好投を見せた先発レイに、またも来日初勝利を贈れなかった。

 8回に3番手の塹江から1点を奪って引き分けに持ち込んだものの、試合後の工藤監督は珍しく苦言を呈した。「正直に言うと、工夫がないです。同じように打ち取られて、カウントとられて」と、左腕に太刀打ちできなかった打線に顔をしかめ、そして、怒りの矛先は打線を司るコーチ陣へと向いた。

「早め早めに何を絶対に振っちゃいけないか、打撃コーチの方からしっかり言わないと、これはダメだな、と。選手は打ちたいと言うのはあるけど、チームとして何を狙って打ちに行くか。まずその球を消しましょう、と。そういうのがないと、なかなか対戦のない投手に個人で打ちにいっても難しい」

「苦手な投手もいるけど、それとやられるのと同じ。工夫は必要。それもやってダメだったのならいいんですけど、僕の中でもクエスチョンがある。そこは考えないといけない」

同点の8回1死三塁のチャンスで今宮は強攻「レイに申し訳ない」

 玉村はこの日がプロ4試合目の先発。1年目の昨季はウエスタン・リーグでわずか1試合しか登板しておらず、4月29日にデビューしたばかりだ。当然、ソフトバンク打線は初対戦。今季2軍では一度、顔を合わせており、その試合にこの日4安打を放った三森は出場していた。データも少なく、どんな投手かもわかりづらい状況。その中で玉村のストレート、スライダーを軸とした投球に初回から6回まで翻弄され、チーム全体としての工夫が見られなかったことに、工藤監督も思わず苦言を呈した。

 指揮官自身も悔いる部分はあった。それが8回の攻撃だ。1死二塁から三森がこの日4安打目となる適時三塁打を放ち、同点に。なおも1死三塁と勝ち越しのチャンスで打席には今宮が入った。当然、スクイズも考えられる場面だったが、ソフトバンクベンチの選択は強攻。今宮は浅い右飛に凡退、栗原も空振り三振に倒れて逆転のチャンスを逸した。

「もう1点というところは僕らの責任。打つという選択肢だけでなく、スクイズの選択もあったわけだから、それをしきれなかった、もう1点取れなかったのは、レイがいいピッチングしてくれたし、申し訳ないと思います。なので、そういう時は次からはチームとして作戦をとっていかないといけない。そんな反省もありました」

 広島との3連戦は1勝2分けと、常々目標としているカード勝ち越しは果たしたソフトバンク。勝ちに等しい引き分けだったのか、負けに等しい引き分けだったのか……。工藤監督の口調からすると、なんともスッキリしない不完全燃焼のカード勝ち越しだったようだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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