「心を開けないまま終わるのは嫌」極度の人見知りだった元侍J左腕が見つけた指導法

昨年限りで現役を引退した高橋朋己さん【写真:球団提供】
昨年限りで現役を引退した高橋朋己さん【写真:球団提供】

「『できる子』より『できた子』になってほしい」

 コロナ禍で外出が制限される日々が続いており、家にこもりがちになるが、アカデミーの授業を通じて身体を動かすことの楽しさを知ってほしいと話す。

「今はインターネットやSNSをする時間が多くなっていると思います。公園でもボール遊びが禁止されている場所もありますが、野球じゃなくても、サッカーでも鬼ごっこでも何でもいいので、外で思いっきり遊んでほしいと思います。アカデミーでは野球を教えますが、身体を動かす楽しさを知るきっかけになってくれたらと思っています」

 左肩痛のため2018年のオフには育成契約となったが、球団はそれまで着けていた背番号「43」を空き番にして復帰を待ってくれた。引退時には、育成選手には異例の引退試合とセレモニーが行われた。そんな球団に尽くしたいとアカデミーコーチの話を快諾した高橋さんは「敬意と感謝の気持ち」を持つことの大切さを伝えている。

「『できる子』より『できた子』になってほしいです。『できる子』は言われればできますが、言われなくても自然とできてしまう『できた子』になってほしいです。あとは、常識をわきまえて敬語を使うように。常に『礼を尽くす』です」

 食事やトレーニングの勉強を重ね、懸命にリハビリに取り組んできた高橋さん。第二の人生も子どもたちに真摯に向き合い、野球の楽しさを伝える忙しい日々を送っている。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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