DeNA、9回7得点の猛追も悔やまれる1点の重み 指揮官の無念「失点を1点でも少なく…」
先発メインの京山を4回からリリーフで起用、好機で代打を送れず
先発のピープルズは、3-3の同点で迎えた3回、無死一、三塁で林に対し初球を投げた瞬間、腰に激痛が走りグランド上に倒れ込んだ。トレーナーと木塚投手コーチに両肩を支えられ退場。急きょ2番手として櫻井がマウンドに上がったが、林に勝ち越し適時打、坂倉に犠飛を許した。
その後、京山、三上、石田、砂田とつないだが、5回以降毎回失点。三浦監督も「(中継ぎ陣が)ああいうところをしっかり止めていかないと。失点を1点でも少なくしておけば、打線の状態いいのだから……」と悔やんでも悔やみ切れない表情だった。
指揮官の采配にも誤算はあった。4回から、今季5試合の登板が全て先発だった京山をリリーフで投入。京山はその裏の攻撃で、2点ビハインドの2死一、三塁で打順が回り、そのまま打席に入って二ゴロに倒れた。
三浦監督は「まだ前半で、こちらとしては3人目の投手。(長いイニングを)引っ張ってもらわないと困る。点差も考えて打席に立たせた」と説明したが、結果的に、この得点機を逃したことが後々響いた。
それまで2発を浴びるなど本調子ではなかった相手先発の森下は、続く5回に桑原、伊藤光、佐野を3者三振に仕留める別人のような投球。これを境に7回まで1人の走者も許さず、7回3失点のまとめて降板した。対照的に京山は5、6回に1点ずつ失い、試合の流れは大きく傾いた。
DeNAが2012年に球団を買収した当初も中畑清監督の下で、前半に投手陣が大量失点し、打線が終盤に猛追するものの「あと1歩届かない」試合が多かった。その後、日本シリーズに進出するなどチーム力を上げたが、三浦監督初年度の今季は1周回って新たなチーム作りを求めらているのが現状だ。
交流戦では球団史上最高タイの3位に入り上昇気流の乗ったかに見えたが、セ・リーグ同士の戦いが再開された途端の連敗。いかに投手陣を建て直し「あと1歩」から抜け出すか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)