オリックス、25年ぶりVへ課題くっきり 手探り“9回”に指揮官「乗り越えなきゃ」

オリックス・中嶋聡監督【写真:荒川祐史】
オリックス・中嶋聡監督【写真:荒川祐史】

張が4点リードの9回に登板も3ランを浴びるなど4失点、漆原は決勝ソロを被弾

■楽天 6ー5 オリックス(7日・京セラドーム)

 オリックスがまさかの大逆転負けで2連敗を喫した。7日、京セラドームで行われた楽天戦で4点リードの9回に一挙5点を失い、5-6で敗れ11カードぶりの負け越しとなった。依然として首位は変わらないが、25年ぶりのリーグ制覇に向け課題は明確となった。

 快勝ムードが一気に吹き飛んだ。4点リードの9回のマウンドに上がった張は2死一、二塁のピンチを招き浅村に左前適時打を浴びると、続く島内に3ランを浴び同点に追いつかれる。後を受けた漆原は岡島に初球を完璧に捉えられ決勝ソロを浴び、まさかの逆転負けとなった。

 試合後、中嶋監督も「ちょっと整理つかないですね、今のところ。ベストな形をと思っているのですが。どうしてもあの回、今まで積み上げてきたことが崩れてしまうというか。ここに関しては乗り越えていかなきゃいけない」と、張の乱調に頭を傾げるしかなかった。

 交流戦優勝、怒涛の11連勝と勢いに乗り“戦国パ・リーグ”で首位に立っているが不安材料は明確だ。山本、山岡、宮城、田嶋ら先発陣は比較的、若いメンバーが揃っているが試合を締める“9回の男”がいない。

 現在チームトップの11セーブをマークしているのは37歳の平野佳。6日の楽天戦では9回に登板も今季ワーストの3失点を喫し負け投手になるなど、防御率3.66と本来の姿には程遠い。長期的に見てもベテランにいつまでも頼ることはできない。

 育成しながら勝ちを目指す中嶋監督はここまでヒギンス、K-鈴木、漆原、そしてこの日の張を起用し手探り状態が続いている。

 今季だけでなく長期的な視野で考えると、いつまでも平野佳に頼ってばかりはいられない。若い投手の台頭は必要不可欠。ここまでヒギンス、K-鈴木、漆原、そして中継ぎに配置転換された張らを試しているが、これといった結果を残していないのが現状だ。

 守護神不在の状況に中嶋監督も「昨日も9回、今日も9回で5点、5点。これはなんとか乗り越えていかなきゃいけない。また、どのピッチャーを使うか考えていきたいと思う」と言葉を振り絞っていた。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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