中日・柳、引退発表の大先輩・松坂に恩返しの7勝目 巨人に8回8K無失点の快投

巨人戦に先発した中日・柳裕也【写真:荒川祐史】
巨人戦に先発した中日・柳裕也【写真:荒川祐史】

絵文字や香水も真似たスーパースター、中日退団時には号泣

■中日 1ー0 巨人(8日・東京ドーム)

 中日の柳裕也投手が8日、東京ドームでの巨人戦で、チームトップの今季7勝目を挙げた。もらった援護はわずか1点ながら、8回を散発の4安打で8奪三振1四死球の無失点。1日前には、横浜高の先輩である西武の松坂大輔投手が現役引退を発表。「松坂さんに本物のスターとはこういうものだと教えてもらった」という右腕が、恩返しの1勝を挙げた。

 3者凡退で立ち上がり、4回にはクリーンアップの丸、岡本和、ウィーラーを3者連続で三振に。5、6回も危なげなく3人で斬った。7、8回は先頭に安打を許したものの、後続をピシャリと抑え、巨人に反撃の糸口を与えなかった。打者27人に計107球で、防御率2.50に。9回は守護神R・マルティネスが3者連続三振で締めた。

 登板の前日、寂しい報を受けた。松坂は高校の先輩というだけでなく、中日に在籍した2018年からの2年間はよく食事にも連れて行ってもらった。後輩というよりファンのように憧れ、「平成の怪物」がLINEでよく使う絵文字や香水を真似するほどだった。

 丁寧にファンサービスする姿を目の当たりにし、自身にも取り入れた。「スーパースターなのに、それを全然表に出さないのが、余計にすごい」と振り返る。2019年限りで退団が決まった際には、直接連絡をもらい家で号泣したほどだった。

 比べられる立場にすら及んでいないのは分かっているが、少しでも頼もしい姿を見せていくことが何よりの恩返し。右のエースとして期待される27歳は、偉大すぎる先輩の背中を追う“決意表明”のマウンドを見せた。

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