勝率5割、4位で前半戦ターンのソフトバンク 工藤監督が思い描く後半戦の“プラス要素”
前向く工藤監督「何も悲観する必要はないと、僕自身は思っている」
そして、指揮官は前を向き、こう語った。「チームとしていい時も悪い時もある。パ・リーグには今、抜け出たチームがないということは、後半戦次第でどうにでも変わってくると思います。その中から上を目指す」。
今季は大黒柱として期待していた千賀、東浜の二本柱が開幕に間に合わずに出遅れ。さらに、シーズン中には守護神の森唯斗や、打線の核であるグラシアル、周東佑京らが怪我で離脱した。復帰した千賀がすぐに怪我で戦線を離れ、さらに、モイネロ、デスパイネは五輪予選のためにチームを離れた。
エース、守護神、助っ人を欠く“飛車角金銀落ち”の状態での戦いを強いられ、チーム状態はなかなか上向かなかった。あえて“プラス要素”を挙げれば、これだけの苦戦を強いられながらも、上位との差が広がっていないこと。2018年以来のBクラスターンとなりながらも、首位のオリックスとは4ゲーム差。まだまだ勝負は分からない状況にある。
工藤監督も「十分逆転できるし、勝てるゲーム差だと思っている。何も悲観する必要はないと、僕自身は思っている」と語る。今季はオールスター後に、東京五輪による中断期間もある。ペナントレースの再開は1か月も先になる。この期間で怪我人ら離脱者の復帰できる可能性もあり、後半戦はより戦力が整った状態で迎えられるようになる。
「怪我人が帰ってこれば、雰囲気も変わったりしてくるのかな、と思う」と指揮官。元来、ホークスはシーズンの後半戦に強いチームだ。戦力さえ整いさえすれば、追い上げ、ひっくり返すことができる。そんなプランが、指揮官の頭の中にはあるのかもしれない。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)