侍ジャパンに降って湧いた“ギータ問題” 「投手1増」が選手起用に及ぼす影響も?

センター本職は柳田のみ、鈴木&近藤が練習を始めるも…

 柳田は押しも押されもせぬ主軸だけに、強化試合を欠場するだけでも、チーム全体に与える影響は小さくない。出場選手の中で、センターを本職としているのは柳田ひとり。他に今季ペナントレースで中堅を守った選手はいない。

 柳田の別メニュー調整を受けて、広島・鈴木と日本ハム・近藤がセンターの位置でノックを受け始めたが、2人とも経験は浅い。鈴木は昨季、試合途中のシート変更で中堅に回ったケースが2度あった。近藤に至っては、プロ入り後公式戦でセンターを守ったことはないが、実は2019年のWBSCプレミア12開幕前の練習試合でも、稲葉監督の意向で途中から中堅に回ったことがあった。

 強化試合では代打、代走、守備固めなど、本番を想定して様々な起用を試したいところだが、稲葉監督は「ギータ次第でね。野手が1人減れば、12人しかいなくなるので、なかなか、代打を出して代走を出してとかって、簡単にはできないというか……」とジレンマを抱えている。

 もともと、代表選手24人の内訳は、2008年北京五輪では投手10人・野手14人だったが、今回は稲葉監督が小刻みな継投を志向していることから、投手を11人に。野手は1減となった経緯があるから、なおさらだ。降って湧いた“ギータ問題”が、侍ジャパンのアキレス腱とならないためにも、難しい判断が迫られる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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