離脱者続出での5割ターンは及第点か、落第点か 鷹・工藤公康監督の前半戦采配は?
勝率5割となった京セラドームの試合以降、風向きに変化が…
苦しい状況にあっても、選手起用では柔軟性を欠いた。柳町や谷川原といったスタメンで抜擢し活躍した若手が、翌日にスタメンを外れる一方で、結果の出ていなかった松田らが続けて起用され、重要な場面での判を押したかのような代打起用もあった。実績、ベテランを重視する起用に、ファンの間でも不満が渦巻いていた。
風向きが変わったのは北九州で開催された6月30日の西武戦か。前日の京セラドームでの同戦で4連敗を喫し、貯金を吐き出した。試合後すぐに、工藤公康監督はコーチ陣を集めて、約1時間にも及ぶミーティングを実施した。
そうして迎えた西武戦では、主砲の柳田を5月7日以来の「2番」で起用。そこから8試合連続で2番に据え、前半戦ラスト3試合は2番に中村晃、3番に柳田を入れた。7月3日の日本ハム戦で松田をスタメンから外し栗原を三塁で起用すると、7月11日のオリックス戦からも3試合連続で栗原が三塁を守った。
この頃からだろうか。ベンチの重苦しい雰囲気が少し晴れ、ソフトバンク持ち前の明るい空気が出始めた。工藤監督は「とにかく今は波に乗るまではオーダーが変わったとしても、勝ちを目指してみんなが力を合わせることが1番。出る出ないというのもあるかもしれないけど、一致団結することが大事かなと思います」と語っていた。
多くの故障者、離脱者を抱えて苦しい戦いを強いられていたソフトバンク。4位とはいえ、首位のオリックスとは4ゲーム差しかない。指揮官は「十分逆転できるし、勝てるゲーム差だと思っている。何も悲観する必要はないと、僕自身は思っている」と強気だ。
勝率5割での前半戦ターンは及第点か、はたまた落第点か。その答えは、離脱していた主力が戻り、戦力編成が整った勝負の終盤戦で決まる。
(Full-Count編集部)