「困るほどではないけど多少…」 侍ジャパン山本由伸が明かす五輪使用球の特徴とは?

「フォークは外野まで飛ばされることが多く、空振りを取れなかった」

 前日(23日)には「楽天打線というより、(五輪で対戦する)外国人の打者を想定して投げられたらと思います。いつもの配球とは多少変わるかもしれません」と予告していた。実際には、この日投じた31球の内訳は、ストレート15球、フォーク6球、カーブ5球、カットボール4球、シュートが1球。ペナントレースでは30~40%の配分のストレートが、48.4%を占めたのが目立った。

 東京五輪では、ミズノ製のNPB統一球とは違い、SSK製が使用される。この日も侍ジャパンの守備時はSSK製(攻撃時はミズノ製)。山本は「ボールの感覚は、困るほどではないけれど多少違う。どちらかと言うと変化球の方に違いが出るかな。変化量なども変わると思います」と説明。この日はストレートに手応えを感じる一方、「フォークは外野まで飛ばされることが多く、空振りを取れなかった」と口にした。

 とはいえ、2イニングの投球内容は危なげなし。ストレートの配分を増やしても十分抑えられることを実証した。バッテリーを組む甲斐とも話し合いながら、五輪本番での配球を練り上げていく。

 稲葉篤紀監督はかねてから山本を「先発、リリーフの両方ができる。非常に重要な投手」と評している。3年前の2018年ペナントレースでは、主に中継ぎとして54試合に登板した実績があり、東京五輪でも当面は先発の軸だが、メダルがかかる終盤のここ1番でリリーフ起用される可能性もある。獅子奮迅の働きで悲願の金メダルを奪う準備はできている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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