ミスを犯した選手を細かな配慮で再生 DeNA三浦監督の“ハマの番長流”操縦術

飛球を落球した桑原を翌日は代走で起用、走塁を褒め上げた

 さらに5月26日のオリックス戦では、2回の守備で2死満塁からモヤが放った平凡な中飛を桑原が落球して3点タイムリーエラーに。三浦監督は「らしくないプレー」と見て、4回の守備から“懲罰交代”に踏み切った。とはいえ、即ベンチに下げたのではなく、3回の打席で1度桑原に挽回のチャンスを与え、中飛に倒れたのを見てから代えたところは“ハマの番長流”だった。

 翌27日、桑原はスタメンから外れたが、三浦監督は試合前に「途中から行くぞ」と声をかけるなど配慮していた。実際、8回の攻撃で先頭のオースティンが二塁打で出塁すると、桑原を代走で起用。続く宮崎の遊ゴロで三進し、さらにソトの右犠飛でホームを踏むと、「桑原が好判断で三塁に行ってくれたからこそ、追加点を取れた」と褒め上げたのだった。

 桑原が猛烈に奮起したのはここからだ。「1番・中堅」スタメンの座を奪い返すと、2割7分を切っていた打率が急上昇し、現在はリーグ3位の.318。好調な打線を牽引し、守備でも好プレーを連発した。後半戦のキーマンの1人だ。

 選手は単なる駒ではない。指揮官の言葉1つ、起用法1つで働きが大きく変わる。厚い人情味が見え隠れする三浦監督の采配に後半戦も注目したい

(Full-Count編集部)

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