一発攻勢か、スモール・ベースボールか 侍・稲葉監督が金メダルを獲るための戦法

「プレミアのように選手をどんどん代える野球はできないと改めて感じた」

 同じく巨人との強化試合で、2番スタメンを務めた源田壮亮内野手(西武)には1回と7回に2度送りバントをさせ、「何点あってもセーフティリードではないと思っている。(点を)取れる時に取っていこうということでバントをしてもらった」とうなずいた。

「1発攻勢」を匂わせながら、本番では小技と機動力を多用し、相手を翻弄する可能もある。国際大会ではそれくらいの駆け引きは日常茶飯事。代表選手として2008年北京五輪に出場し、メダルなしに終わった屈辱を忘れていない稲葉監督は重々承知している。

 稲葉監督は2019年の「WBSC プレミア12」では、周東佑京内野手(ソフトバンク)をここぞの場面での代走、左腕・嘉弥真新也投手を左打者用のワンポイントで効果的に起用し、侍ジャパンを世界一に導いた。ところが、プレミア12では28人だった登録選手数が、東京五輪では4人減の24人となるため「少ない人数でやらなければならない。プレミアのように選手をどんどん代える野球はできないと改めて感じた」とも語る。

 得意の戦法を封じられた格好の稲葉監督は、どんな作戦で悲願の金メダルを引き寄せようとするのだろうか。28日の初戦を見れば、少なくともある程度の傾向は見えてくるはずだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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