劣勢から大逆転サヨナラ勝ち 侍ジャパンを白星に導いた“諦めない”精神

ドミニカ共和国にサヨナラ勝ちした侍ジャパン【写真:AP】
ドミニカ共和国にサヨナラ勝ちした侍ジャパン【写真:AP】

7回、8回の同点のチャンス逸しながらも、最終回に大逆転

■日本 4ー3 ドミニカ共和国(28日・グループリーグ・福島)

 東京五輪の野球日本代表「侍ジャパン」は28日、福島・あづま球場でドミニカ共和国とグループリーグA組の初戦を戦い、4-3で劇的なサヨナラ勝ちを飾った。終盤までリードを奪われる劣勢だったが、土壇場の9回に追いつくと、坂本勇人内野手(巨人)が中越えのサヨナラ適時打を放って激戦に終止符を打った。

 大苦戦を強いられた。序盤は山本由伸(オリックス)とCC・メルセデス(巨人)が息詰まる投手戦を展開。6回まで両チームともにゼロ行進が続き、侍ジャパンはわずか1安打に封じられていた。

 先制点もドミニカ共和国に奪われた。7回だった。「3回り目ですし、球数も行くと、ああいうところで捉えられるというのはよくありますので、スパッと代えた」と稲葉篤紀監督は山本から青柳晃洋(阪神)へとスイッチしたが、これが裏目に出た。右腕は先頭のフランシスコに中前打、1死からメヒアにも中前打を浴びた。2死一、二塁となり、バレリオには左中間を破られた。2人の走者が生還し、2点を先制された。

 その裏、浅村栄斗(楽天)、柳田悠岐(ソフトバンク)の連打で無死二、三塁のチャンスを作ったものの、奪った得点は村上宗隆(ヤクルト)の一ゴロの間の1点のみ。8回1死二塁で吉田正尚(オリックス)が三遊間を破る左前安打を放ち、二塁走者の山田哲人(ヤクルト)が一気に本塁を狙ったが、左翼の好返球によりアウトに。稲葉篤紀監督のチャレンジも実らず、同点のチャンスを逃した。9回には1点を追加され、敗色濃厚となった。

 だが、ここから、侍ジャパンは底力を見せた。最終回。柳田、代打・近藤健介(日本ハム)の連打でチャンスを作ると、村上宗隆(ヤクルト)が右翼線へ適時打を放って1点差。続く甲斐拓也(ソフトバンク)がセーフティスクイズを決めて同点に。山田が中前安打で繋いで満塁とすると、ここで坂本が中越えのサヨナラ適時打を放ち、大激戦に終止符を打った。

 試合後、テレビインタビューに応じた稲葉監督は「厳しい展開でしたけど、選手が最後まで諦めずにやってくれたと思います。誰一人として諦めている選手はいなかった」と振り返り、最後の最後まで集中していたナインを称賛。初戦を迎える重圧は大きく「緊張感はありましたね、昨日の夜から緊張していまして、今日の勝ちでもう少し冷静に戦えると思います」と、サヨナラ勝ちに安堵の表情を浮かべていた。

(Full-Count編集部)

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