侍J平良は「もう弟ではなく師匠」 “兄貴分”の元西武守護神が驚愕した研究熱心さ

投球スタイルの変化に「できるのが平良の凄い所」

 菊池の影響でトレーニングに対する意識が変わった平良は、翌2019年オフには球速やボールの回転数、回転軸などを計測する簡易型トラッキングシステム「ラプソード」を自費購入。渡米して菊池の自主トレにも参加した。高橋氏は「平良は凄く研究熱心で、頭がいい。自分の体のデータを取り、色々なことを考えながら行動に移せます。そういうことにはお金も惜しまない。年下ですが、意識の高い所を尊敬しています」と言う。

 昨季(2020年)を迎えると、平良は高橋氏の復活を祈り、高橋氏が登場曲としていたE-girlsの「Follow Me」を代わりに使用。54試合33ホールド、防御率1.87という抜群の成績で新人王に輝いた。一方、高橋氏は故障が癒えずに現役引退を決断。引退に際し「平良のことは弟のように思っています」とコメントした。今季から小・中学生向け「ライオンズアカデミー」のコーチを務めている。

 今季の平良はさらなる進化を遂げている。昨季は最速160キロの剛速球が軸だったが、今季はストレートを3~4割に抑え、スライダー、カットボール、チェンジアップなど変化球を駆使している。「それをできるのが平良の凄い所です。僕は現役時代、ストレートが80~85%を占めていました。残りはスライダーと遊び程度に投げていたスプリット。逆にスライダーを80%にしろと言われたら、絶対にできなかった。全く違うスタイルでやれているあいつは凄い」と驚きを口にする。

 今季41試合、計39回2/3を投げてわずか1失点。防御率0.23、11セーブ21ホールドと、昨季にも増して圧倒的な数字を残している。「あれだけ球が速かったら、バッターはストレートのタイミングで待つしかない。1、2の3で打ちにいって、チェンジアップとか投げられたら、それは打てないですよ」と高橋氏。かといって、変化球待ちで速球に対応するのはなおさら無理だから、打者としては困難極まりない投手だ。

性格は“マイペース”、五輪でも「緊張しないのでは」

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