プロ参加後、五輪の日韓戦で勝てない日本… 東京五輪準決勝で13年越しの白星なるか

リベンジかかった2008年北京でも2連敗、13年越しの再戦は?

 2004年のアテネ五輪は日本が銅メダルを獲得する一方、韓国が前年に札幌ドームで行われた予選で敗退。本大会出場はかなわなかった。次に両国が相まみえたのは、2008年の北京大会だ。

 予選リーグでは、このころから韓国代表の主戦にのし上がった左腕キム・グァンヒョン(当時SK、現カージナルス)を打ちあぐんだ。日本は6回に新井貴浩内野手(阪神)の2ランで先制するものの、7回に和田毅投手(ソフトバンク)がイ・デホ内野手(韓国ロッテ)に同点2ランを浴び、3-5で敗れた。

 そして両国は決勝トーナメントへ勝ち上がり、準決勝で再び対戦する。先発は日本が杉内俊哉投手(ソフトバンク)、韓国は再びのキム・グァンヒョンを立ててきた。日本は1回に先制、3回に青木宣親外野手(ヤクルト)の適時打で加点。韓国は4回に1点を返し、日本がリードを保って試合は進んだ。韓国は7回に代打、イ・ジンヨン外野手(SK)の適時打で同点とし、迎えた8回。日本は岩瀬仁紀投手(中日)をマウンドへ送った。

 韓国は先頭のイ・ヨンギュ外野手(キア)が左前打。1死後打席には「4番・一塁」で先発していたイ・スンヨプ内野手(巨人)が立った。ここまで絶不調で、この試合でも第1打席から三振、併殺打、三振。岩瀬は簡単に追い込むと、カウント1-2から勝負に。内角低めの直球をイ・スンヨプは捉え、打球は右翼を守る稲葉篤紀外野手(日本ハム)のはるか上を超えていった。勝ち越し、そして決勝の2ランとなった。

 9回、日本の最後の打者となった阿部慎之助捕手(巨人)が右翼へフライを打ち上げると、捕球したイ・ヨンギュはボールを抱きかかえながらグラウンドにひざまずいた。韓国のこの試合にかける意気込みが現れた名場面だった。

 両国の明暗は、この後さらに分かれた。決勝進出を果たした韓国は、キューバを下し金メダル。3位決定戦に向かった日本はアメリカに敗れ、メダルを首にかけることなく北京を後にした。東京大会で指揮を執る稲葉篤紀監督が「五輪の借りは五輪で返す」と繰り返す裏には、きっとあの日、決勝弾を見送った記憶があるはず。プロ軍団の韓国を五輪で初めて倒し、決勝に進むことができるだろうか。

(Full-Count編集部)

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