侍ジャパンは「強者の品格を証明していた」 メダル逃した韓国のメディアから賛辞

悲願の金メダルを獲得した侍ジャパン【写真:AP】
悲願の金メダルを獲得した侍ジャパン【写真:AP】

2008年北京では金メダルの“前回王者”に何が起きたのか…

 東京五輪を戦った野球韓国代表は、7日の3位決定戦でドミニカ共和国に6-10で逆転負けを喫し、メダルを手にすることができなかった。2008年北京五輪で金メダル、今大会前も優勝した日本の対抗馬と目されていたチームに、一体何が起きたのか。韓国紙「スポーツ朝鮮」が「ノーメダルは当然の結果 キム・ギョンムン号にはこれがなかった」と題した記事で分析。金メダルを獲得した侍ジャパンに対しては称賛を述べている。

 韓国代表は東京五輪で7試合を戦い3勝4敗。特に4日の日本との準決勝、5日の米国との敗者復活の準決勝、さらに3位決定戦にも敗れ3連敗で大会を終えた。記事では「韓国野球には、メダルを獲得した3チームにあった特別な部分がなかった」と指摘している。

 その一つとして「相手に対する敬意と情熱が足りなかった」とした。続けて「構成と年俸の面では日本に次ぐ2位だった韓国野球は、教訓を忘れたまま王者の自信を強調した。グラウンド内外での一部選手の姿勢は、国を背負う資格があるのか疑問だった」とバッサリだ。

 対比しているのが日本だ。「今大会の最強チームだった日本は、毎試合基本に忠実なプレーで賛辞を受けた。特に試合後、相手ダグアウトに向け目礼し、『強者の品格』が何なのかを自ら証明していた」とする。また3位決定戦を戦ったドミニカ共和国も、最後の打者となったキム・ヒョンス(LG)に近づき言葉を交わした場面が印象的で「温かい姿を見せてくれた」と称える。

 記事ではほかに「果たしてしっかり準備したか」として、韓国KBOリーグで好調の選手が選ばれず、不振の続く選手を招集したチーム編成を「指揮官と、サポートする技術委員会が、果たして冷静に編成したのか考えなくてはならない」と疑問視している。「日本は実利を追求した」として、7月の代表候補発表後も入れ替えを続けたのと対比している。

 さらに「右往左往でゲームプランがなかった」として、キム・ギョンムン監督の試合運びを批判している。イスラエルとの開幕戦に先発したウォン・テイン(サムスン)をその後リリーフに回した決定や、低打率にあえいだヤン・ウィジ(NC)やオ・ジェイル(サムスン)の中軸起用にこだわったのを「疑問点である」とした。ここも「メダルを獲った3か国は確実なゲームプランを持って勝負に出ていた」と、劣っていた部分だとする。

 厳しい論調のこの記事は「韓国野球が受け取ったノーメダルという成績表は、ただの『不運』と片づけるのが難しい。冷静に現実を直視し、悲劇を繰り返さない方法を見つけなくては」と結ばれている。

(Full-Count編集部)

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