あまりに痛かった菊池涼介、鈴木誠也ら主力の大量離脱…交流戦で急降下した広島の前半戦

広島・佐々岡真司監督【写真:荒川祐史】
広島・佐々岡真司監督【写真:荒川祐史】

光明は若手の台頭、ドラフト1位ルーキー・栗林良吏が守護神に

 前半戦を終えて32勝42敗10分、借金10の5位で前半戦を折り返した広島。3位ヤクルトとは11ゲーム離れており、クライマックスシリーズ進出は厳しい状況にある。就任2年目を迎えた佐々岡真司監督の下、上位進出が期待されたシーズンだったが、思いもよらぬ誤算にチームが苦しむ中、そこから見えてきた光明もあった。

 頭数の揃わない先発陣や、チーム打率が得点に結びつかない攻撃陣など、投打に誤算があったが、致命的だったのがコロナ禍による主力選手の離脱だ。昨季19セーブを挙げたフランスアの陽性が開幕前に発覚し、もともと不安のあったブルペン陣に混乱が生じた。

 開幕後の5月には菊池涼介、鈴木誠也、長野久義、小園海斗、九里亜蓮ら主力選手を含めた9選手が陽性となり、離脱を余儀なくされた。特に菊池涼は離脱前の5月16日時点で打率.342とリーグ首位打者を争う好成績で、さらに高卒3年目の小園は、不振が続く田中広輔に代わる遊撃の定位置を確保し、打率.360と覚醒の気配を見せた矢先の不運だった。5月中旬まで借金5前後で推移していたチームは、主力を欠く状態で苦手の交流戦に入り、12球団最下位の3勝12敗3分と急降下。リーグの順位も最下位争いまで低迷した。

 チームに大打撃を与えた選手離脱だが、プラス面もあった。その筆頭格がフランスア離脱で不在となったクローザーで、ドラフト1位ルーキー・栗林良吏が代役というには余りある活躍を見せた。開幕2戦目の中日戦でプロ初登板初セーブをマークすると、デビューから14試合連続無失点のNPB新記録を達成。その後も22試合まで記録を伸ばし、前半戦で救援失敗したのは1試合のみ。34試合登板で0勝1敗18セーブ、防御率0.53の好成績を残し、侍ジャパンでも最後を任される絶対的守護神として東京五輪での金メダル獲得に大きく貢献した。

 野手でも、5月の大量離脱と前後して出場機会を増やした高卒3年目の林晃汰が6月に月間打率.344をマークするなど、前半戦終了時点で41試合、打率.327、4本塁打、22打点。将来の4番候補と期待されていた大器が覚醒した。さらに夏の甲子園で本塁打記録を更新した中村奨成が高卒4年目でプロ初安打、初本塁打もマークするなど、36試合、打率.275、2本塁打、5打点と、堂林翔太や新外国人のクロンら不振のレギュラー候補に取って代わる活躍を見せている。

 主力選手がコロナ禍から復帰した7月は7勝4敗1分と巻き返しの兆しを見せており、後半戦はどこまで順位を上げられるか。リーグ3連覇の主力メンバーが過渡期を迎える中、東京五輪で決勝戦の先発も経験し、更なる飛躍が期待される森下暢仁も含め、チームは新陳代謝が進みつつある。順位争いはさておき、来季以降を見据えた上でも、残り61試合の戦いぶりが注目される。

(Full-Count編集部)

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