ドジャース監督がシャーザーを無視する訳 初登板で学んだ現役最強右腕の“プライド”

ドジャースのマックス・シャーザー【写真:Getty Images】
ドジャースのマックス・シャーザー【写真:Getty Images】

ベンチではシャーザーを避け、野手とハイタッチするロバーツ監督

 シーズン中にナショナルズからドジャースに移籍したマックス・シャーザー投手。移籍後はここまで3試合に登板し2勝0敗と“現役最強右腕”としての実力を発揮している。サイ・ヤング賞を3度獲得した右腕からデーブ・ロバーツ監督は重要な教訓を学んだようだ。

 見ようによっては“不仲”と捉えられてもおかしくない光景だった。15日(日本時間16日)のメッツ戦。シャーザーは6回4安打7奪三振、2失点の好投で今季10勝目をマークしチームの勝利に貢献。打撃でも6回に中犠飛を放ったが、ベンチに戻るとロバーツ監督は体を背け、三塁打を放ち三走から生還したマッキニーとハイタッチを交わした。

 なぜロバーツ監督はシャーザーを無視したのか? その理由を米メディア「NBCスポーツ・フィラデルフィア」が明かしている。

 それは移籍後初登板となった4日(同5日)のアストロズ戦まで遡る。7回2失点10奪三振の快投を見せた右腕を称え指揮官は試合中にお尻をポンッと叩いたが「触るな……」と控えめに拒否反応を見せたという。すると選手たちからも「試合中に彼には触らない方がいい」と忠告を受けたようだ。

 登板日のシャーザーはチームの勝利、そして自らのパフォーマンスを高めるため極限まで投球に集中。そのことを知らなかったロバーツ監督は後日談でこう語った。

「『触るなこの野郎』みたいなことをつぶやいた? と聞いたんだ。そしたら彼はこう言った『ああ、抑えめに、出来る限り丁寧なやり方でそう言ったんだ。なぜならこれは私の仕事だから。どんな形の祝福やサポートも必要ない、それが私の仕事だからだ』と」

 同記事ではシャーザーの集中力の高さが分かる一件だったことを紹介し「それがゆえに圧倒的な力を発揮することができる」と言及。ロバーツ監督に向けても「彼自身のためにも、ロバーツがこんなことを2度と試みないことを願いたい」と忠告していた。

【動画】ロバーツ監督がシャーザーを“無視”? 現役最強右腕のプライドが垣間見えた瞬間

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY