三浦監督に姿重なる“虎キラー” DeNA2年目左腕、成長の陰に新人王の存在

東京五輪による中断期間中に上向き「ストレートがホームベース付近で強く」

 坂本は前半戦最後の先発となった7月13日の阪神戦で、プロ入り後最長の7回を投げ1失点に抑えた後、東京五輪開催に伴うペナントレース中断期間中も状態を上げた。投球フォームの改善がハマり、イースタン・リーグ2試合の登板でも好投。「ストレートがホームベース付近でも強くなった。変化球もカウントを取りたい所で取れ、空振りを取りたい所で取れるようになった」と、これまでにない手応えを感じている。

 格好の刺激となったのが、大学時代から尊敬の対象だった東の復帰だ。プロ1年目に新人王を獲得している東は、昨年2月に左肘のトミー・ジョン手術(内副側副靭帯再建手術)を受けた。リハビリの末、ここに来て2軍で実戦復帰。1軍合流に向け、着実にステップを踏んでいる。

 中断期間中のイースタン戦で、先発の東を坂本がリリーフした試合も。坂本は「順調に回復されていて、すごくレベルの高い投手だと改めて思いました」と語り、「僕がチェンジアップで空振りを取った時、『あれ、いいな』と言ってもらえて凄くうれしかった」と笑った。

「イニングを全然投げられていないので、先発投手として役割を果たせていると言えない。より長いイニング投げたい」と自分の課題と向き合う坂本。もうワンランクアップして先発ローテの柱に成長できれば、間もなく1軍に戻ってくる東、エース今永、今季開幕投手の浜口らと合わせてDeNAに左腕王国ができ上がる。“虎キラー”で満足はしていられない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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