荻窪から一緒に球場へ…目の前で見た55本塁打 憧れの父追うカブレラJr.の日本愛

父から貰ったグラブで練習するラモン・カブレラ【写真:千葉麗美】
父から貰ったグラブで練習するラモン・カブレラ【写真:千葉麗美】

原点は両親の教え「違う国には違う文化がある。それをリスペクトすること」

 その後は米独立リーグや地元ベネズエラのウインターリーグでプレーしていたが、今年1月に茨城と契約して念願の再来日。最初は苦戦したものの、野球スタイルの違いは「言い訳にならない」と奮闘中。メジャー経験にも威張らず「こちらのやり方やスタイル、コミュニケーションをとてもリスペクトしている。その中でどうすればいいかを常に考えている」と一から勉強する姿勢を忘れない。

 そんなカブレラの原点はやはり両親の教え。父のプレーする背中を見て、母からは「違うところに行ったらあなたは違う国の人間で、違う文化がある。だからそれを学ぶ姿勢とリスペクトすること」と常に聞かされてきたという。松坂賢ヘッドコーチも「これは何? これはOK? 何がダメなのか? と常に聞いてきます」とその積極性に目を丸くする。

 ともに来日したアルバレスはソフトバンク、バルガスはオリックスに旅立ったが、「今は日本の野球に自分自身のアグレッシブなスタイルや、自分の考え、メンタリティを付け足している状態」と焦りはない。「ちょっとずつ結果が出ている。今がそのときなんだ」と7月以降はヒットを量産し、打率.265(1日現在)まで上げてきた。

 真面目だが、簡単な日本語は理解して「東京はサイコーだよね」と笑うナイスガイ。西武2軍との試合では松井2軍監督と旧交を温め、父を交えてテレビ電話するなど誰からも愛される。偉大な父を追って日本に来たカブレラJr.の挑戦はまだ始まったばかりだ。

【比較写真】父は昔も今も変わらない? 西武時代と現在のカブレラ親子

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