後半戦3連勝の鷹・千賀が見せた進化 打者に「鬱陶しい」と思わせる新球種の正体

94球のうち4球投じた球種はダルビッシュから教わったシンカー系のボール

 150キロに迫る球速で、右打者に食い込んで沈む、左打者にとっては外角低めへと逃げていく、高速シンカーのようなボールだ。2020年途中にダルビッシュ有投手(パドレス)が「スプリーム」と名付けて開発した球種をこの日は配球に組み込んだ。

 これまで「ファームでは使っていました」と言うものの、1軍公式戦では使っても1、2球ほど。それが、この日は4球使った。千賀といえば、160キロに迫る真っ直ぐ、「お化け」と称されるフォーク、スラーブ、そしてカットボールを武器とする。ここにこのシンカー系のボールが加われば、投球の幅は大きく広がる。

 千賀の持ち球は真っ直ぐとフォーク以外は、右打者にとっては逃げていく、左打者にとっては向かってくるボールだった。ここに逆方向へと曲がる球種が加われば、打者にとっては厄介極まりない。まだワンバウンドになるボールもあり、精度には課題を残すが、試合後、千賀も「あれで(打者が)嫌な球種が増えていくことが大事。精度を高めていきながら、使える幅を広げていけたら、もっと(打者にとって)鬱陶しいかな、と。あの球を使うことによって幅が広がる」と語っていた。

 金メダルに輝いた東京五輪から戻った後半戦はこれで3連勝。3戦目にして初めて失点を喫したものの、20イニングでわずか2失点と安定感はチーム随一だ。首位とは5ゲーム差の4位に位置するソフトバンク。オリックスを追いかけるには、千賀がもたらす勝利が欠かせない。

【動画】新球種も交え7回2失点の好投 後半戦3連勝の鷹・千賀が見せた進化のピッチング

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