中日、木下雄介さん追悼試合で完封勝利 選手は大粒の涙…“戦友”投手陣が気迫リレー

試合前のセレモニーでマウンドに献花する選手たち【写真:共同通信社】
試合前のセレモニーでマウンドに献花する選手たち【写真:共同通信社】

8月3日に27歳の若さで急死、4歳長女と2歳長男が花束たむける

■中日 2ー0 DeNA(5日・バンテリンドーム)

 中日は5日、本拠地・バンテリンドームでのDeNA戦に2-0で勝った。8月3日に急死した木下雄介投手の追悼試合として行われ、投手陣が気迫のゼロ封リレー。ベテラン福留が終盤に決勝打を放った。試合前にはセレモニーを実施。遺族らがマウンドに献花し、多くのチームメートが大粒の涙を流した。

 セレモニーで大型ビジョンに追悼の映像が流れると、エース大野雄や木下さんと同期入団だった柳らが涙。4歳の長女・叶望ちゃんと2歳の長男・志厳君が家族に手を引かれ、父の仕事場だったマウンドに花をたむけた。その後、与田監督や選手会長の京田、大野雄、柳、木下拓も献花し、無念の死を悼んで黙祷を捧げた。

 全員が木下さんの背番号「98」で、左肩に喪章をつけて臨んだ一戦。先発のY・ロドリゲスは毎回走者を背負いながら5回を2安打6四死球で無失点の粘投。その後も田島、祖父江、又吉、R・マルティネスと盤石の救援陣が、亡き同僚の遺志を継ぐようにゼロでつないだ。打線は8回2死二塁、球界最年長の代打・福留が中越えの先制適時二塁打。木下さんとプライベートでも仲の良かった京田もタイムリー。直後の守備では、遊撃の定位置で堪えきれず涙を浮かべた。

 木下さんは、独立リーグ・四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスから2016年の育成ドラフト1位で中日に入団。威力あるストレートを武器に2018年に支配下契約を勝ち取った。2020年は春季キャンプで左足首を痛めて出遅れたものの、自己最多の18試合に登板し、プロ初セーブもマークした。

 チームでは数少ない速球派のリリーバーとして期待されていたが、今季は3月のオープン戦で右肩を脱臼。4月に右肩前方脱臼修復術とあわせて右肘内側側副靭帯の再建術(トミージョン手術)も行い、復帰に向けリハビリを続けていた最中、27年の短すぎる人生に終わりが告げられた。

【動画】二塁ベース上でガッツポーズ、追悼試合で試合を決した大ベテラン福留のタイムリー

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