球団初の生え抜き2000安打 西武・栗山巧が放った3年前の“値千金弾”を振り返る

同期の中村とお立ち台「情けない思いもしてきましたけどね……」

「会心でした」。そう一言残した打球はファンの大歓声を受けながら、バックスクリーンに吸い込まれていった。

 この一打で完全に試合の主導権を奪い、投手陣も好投。4-1で迎えた終盤には同期の中村剛也内野手にダメ押しの26号3ランが飛び出した。勝利したチームに優勝マジック11が点灯。本拠地ファンの歓声に迎えられ、お立ち台にはベテランコンビの栗山と中村が上がった。

「情けない思いもしてきましたけどね……こうやって今日は(お立ち台に)2人で立つことができて良かったです」

 ヒーローインタビューで語った、この言葉が印象的だった。2008年の優勝を知る2人。しかし、中村は前半戦、かつてない不調に苦しんだ。栗山もケガの影響や若手の台頭もあって前年から出場機会を減らしていた。

 その1年前の2017年8月17日、栗山が放った“炎獅子ユニフォーム”最終日のサヨナラホームランは代打での一発だった。「チームが強すぎて出番がないですが、強いに越したことはないので」。ヒーローインタビューでは笑いながらそう言ったが、その裏には思い通りのパフォーマンスができないもどかしさもあったのではないだろうか。

「これからも期待されるような選手になっていきたい」

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