2年ぶり2桁勝利の西武・高橋光成 「めちゃくちゃ」と表現した3つのこととは?
「めちゃくちゃ楽しかった」同学年の佐藤龍世との対決
その高橋が「めちゃくちゃ」と表現した3つのものあった。まず「めちゃくちゃ楽しかった」もの。同学年で8月にトレードで移籍したばかりの佐藤龍世内野手との対決だ。2回1死走者なしでの対戦では8球目のカットボールを打たせて投ゴロ。4回1死走者なしでも、再びカットボールを引っかけさせ三ゴロに仕留め「一緒にご飯に行ったりした仲で、自然に力は入りました」と笑った。
「めちゃくちゃ助かりました」と語ったのは、岸潤一郎外野手のファインプレーだ。3回、1点差に迫られた直後の1死二塁で、野村の打球は右中間寄りの飛球となった。二塁走者の西川がタッチアップで三塁を狙ったが、こちらも同学年の岸がノーバウンド送球で刺し「あれがアウトかセーフかは大違い。めちゃくちゃデカイ」と感謝感激。敵でも味方でも、同学年への思いは格別のようだ。
一方で「めちゃくちゃ意識しました」というのが、後輩の先発投手の存在。11日のオリックス戦で今井達也投手がチーム初の完封勝利を挙げ、翌12日の同カードでも20歳の渡邉勇太朗投手が5回1失点の好投で連勝を飾った。高橋はこの2人に続く形で先発し「西武は先発が……って、ずっと言われてきたけれど、今井と勇太朗が頑張ってくれて、僕も流れに乗ることができました」と語った。
西武のチーム防御率は昨年まで4年連続リーグワーストで、今季も4.06でリーグワースト(14日現在)。特に先発陣が手薄と評され続けているだけに、高橋は忸怩たる思いを抱いてきた。「みんなで頑張るというか、相乗効果で全発みんながよくなっていけばいい」。現在リーグ5位で、残り32試合に上位浮上をかける西武のエース。投手陣全体を底上げしていこうとする、強い意志がうかがえる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)