16年ぶりVにひた走るロッテ 開幕5連敗&チーム防御率5位も首位に上り詰めたワケ
救援陣が充実、唐川が離脱も佐々木千&国吉らが穴を埋める
次に投手陣に目を向ける。チーム防御率3.76はリーグ5位だが、試合を重ねるにつれて救援陣の安定感が増してきた。佐々木千隼投手は今季、44試合に登板して8勝0敗20ホールド1セーブ、防御率1.15。球宴にも初出場するなど、5年目にしてついに“覚醒”した。6月にDeNAからトレード加入した国吉佑樹投手の存在も大きい。勝ちパターンの一角を担い、15試合2勝0敗10ホールド、防御率1.20と活躍している。
佐々木千らの台頭により、勝利の方程式を担っていた唐川侑己投手、フランク・ハーマン投手らの負担が減った。故障離脱した唐川の穴を埋められたことが、勝利を重ねた要因と言えるだろう。守護神・益田直也投手の存在も大きい。開幕戦から2連敗もその後は安定感を取り戻し、リーグ最速の30セーブを記録すると、9月8日には通算150セーブを達成。ここまで56試合1勝4敗33セーブ、防御率1.69をマークする“鉄腕”の存在は大きい。
前半戦は石川歩投手、二木康太投手、美馬学投手ら主力先発陣が本領発揮できずにいたが、岩下大輝投手や小島和哉投手ら若手が踏ん張った。後半戦に入ると、シーズン途中に加入したエンニー・ロメロ投手が4試合で1勝0敗、防御率1.54と安定感ある投球をみせ、シーズン途中に中日からトレード加入した加藤匠馬捕手もチームに大きく貢献。後半戦でスタメンマスクを被った21試合は13勝3敗5分と、新戦力がチームの起爆剤になっている。
失点をカバーする強力打線、リードを守る鉄壁のブルペン陣を武器に、ロッテは16年ぶりの優勝に手が届きそうな位置までこぎつけた。投打ともに好調をキープし、栄光をつかめるか。熱き戦いはまだまだこれからだ。
(「パ・リーグ インサイト」下村琴葉)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)