ドラフト候補の154キロ右腕が挑む最後の秋 亡き祖母の言葉「プロに行ってね」を胸に

亡き祖母の言葉「プロに行ってね」を胸に…“笑顔”でアピールなるか

 10月11日のドラフト会議に向け、春と違った姿を見せるつもりの秋季リーグ戦は新型コロナの影響で2度延期になった。先行きが不透明な中で練習に励んでいた8月31日、母方の祖母、木村勝子さんが亡くなった。翌日、山口県に帰省しお別れをしてきた。教員だった勝子さんのことは「学校のばあちゃん」と呼び、外食でよく回転寿司に連れていってもらったことやオセロをしたことが思い出だ。

 仙台に戻る際、母・順子さんから「『プロに行ってね』と伝えてね」と言っていたことを聞かされ、首から下げられるようにとチェーンを付けた形見の指輪を受け取ってきた。プロへの思いはより一層、強まっている。

 練習再開から約1週間後の、先週のシート打撃ではストレートの球速が140キロ中盤だったと言うが、20日の紅白戦では150キロ台に戻った。「春はよくなかったのでゼロに抑えられれば」と気合いを入れ直す。好きな言葉は「笑顔」。昨秋は投げられる喜びを胸に投球していただけに、「最後のリーグ戦なので、悔いなく、楽しみたい」とも。

 高校1年の秋、内野手から投手に転向し、最速108キロからスタートした投手人生。ドラフト会議まで実戦でのアピール機会は限られるが、気は張り過ぎず。最速154キロ右腕は、迎える運命の時に向かってスパートをかける。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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