大谷翔平「ヒリヒリする9月を過ごしたい」 惨敗エ軍へ“ぶっちゃけ”会見したワケ

この日も多くのファンが大谷を見るためにスタンドに訪れていた【写真:AP】
この日も多くのファンが大谷を見るためにスタンドに訪れていた【写真:AP】

新戦力の突き上げに期待できないエンゼルスの現状

 ただ、現状のエンゼルスの未来は決して明るくない。大リーグ公式サイトが選出する若手有望株トップ100のうち、エンゼルスの選手は今季デビューした左腕デトマーズら2投手だけ。マイナーからの突き上げも多くを期待できない上、トラウト、レンドンら大型契約の野手陣が多い。抜本的な戦力補強に限りがあるのが現実だ。

 大谷は「周りを左右するのは難しいこと。僕は僕で個人としてチームにどうやって貢献できるのかを考えてやりたい」と自身に視線を向けた。だが、現時点ではトラウト、大谷の2大スターの全盛期を無駄にしていると言わざるを得ない。

「なかなか主力が帰ってこないとなって、モチベーションとかがズルズルいった印象。このままでは勝てないんじゃないかなと思います」。少なくとも大谷が会見でここまで“ぶっちゃけトーク”するのは異例中の異例だ。球団側との契約延長についての話し合いは「現時点ではないですね」と話す。FAとなるのは2023年オフ。たとえエンゼルスから移籍となってもおかしくない。

 この日の7回降板後、大谷はダグアウト内で商売道具のバットを叩きつけた。日頃は冷静なスーパースターがファンやカメラの“視線”がある中での怒りを見せたのは、相当なレアケースだ。大谷は「やっぱり7回をゼロで抑えたかった」と理由を語ったが、決してそれだけが理由だけではないだろう。

「チームを勝たせなきゃ二刀流をやる意味はない」と語っていたのは恩師・栗山英樹監督だ。ただ、大谷が投打でベストなパフォーマンスを見せても伴わないチーム戦績。大谷も来年7月5日で28歳になる。エンゼルスがオフにどのような動きを見せるのか注目だ。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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