オリは山本&宮城が「不安材料でもある」 混戦パ・リーグの行方を専門家が占う

楽天のラッキーボーイは山崎剛「勢いのある選手に乗っかり上昇するケースも」

 追う立場のオリックスにとって起爆剤となりそうなのは、左太もも裏を痛めて登録を抹消されていた吉田正尚外野手の復帰だ。26日の楽天戦で代打出場し、今後はスタメン復帰が見込まれる。野口氏は「吉田正が本来の3番で実力を発揮すれば、好調の4番・杉本(裕太郎外野手)にいい形でつながる。吉田正がいない間、代役の3番として健闘した紅林(弘太郎内野手)が5~6番で活躍すれば、なおさら得点力が上がるでしょう」と見ている。

 やや首位が遠のいた楽天は「一昨年、昨年に比べると、劣勢でも粘り強さを発揮できるようになってきた。特にリーグトップの打点を稼いでいる島内(宏明外野手)の勝負強さは頼もしい」と野口氏。また、ここにきて1番打者としてスタメン出場を増やしているのが4年目の山崎剛内野手である。守備も中堅、遊撃、二塁などを器用にこなす。「こういう勢いのある選手にチームが乗っかり、上昇するケースがありますからね」と野口氏も注目している。

 不安材料はなんといっても、右太ももを痛めて8月26日に抹消された守護神・松井裕樹投手の不在。野口氏は「酒居(知史投手)や宋家豪(投手)が代役を務めていますが、2人ともプレッシャーのせいか、中継ぎの時ほどの投球はできていないのが現状です」と分析する。

 ソフトバンクは27日現在で首位に7ゲーム差をつけられ、リーグ連覇は風前の灯。しかし、故障で不在だった守護神の森唯斗投手、セットアッパーのリバン・モイネロ投手が復帰し、リリーフ陣は固まった。昨年、9月末の時点で2位・ロッテにゲーム差なしと肉薄されながら、10月に22勝4敗1分(月間勝率.846)のラストスパートをかけ突き放したことは記憶に鮮明だ。野口氏は「昨年10月のイメージが強烈過ぎて、優勝候補から除外する気になれない。優勝争いをかき回す存在としても侮れません」と言う。

 まれにみる混戦でファンを楽しませてきた今季のパ・リーグ。最後の最後にも波乱が用意されているのだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY