オリ山本由伸は24連勝した田中将大にも匹敵? “投手11冠”でMVP間違いなし
2013年の田中将大よりも、山本は「WHIP」などの指標で上回る
9イニングでの被本塁打割合を表す「HR/9」は0.32で、これも12球団トップ。被打率.183も規定投球回到達者の中で唯一、2割を切っている。1イニングあたりの許出塁を表す「WHIP」は0.86でこれも12球団ナンバーワン。「WHIP」が1を切っているのは山本と柳しかいない。守備から独立した失点率を評価する「tRA」は群を抜く1.64。2位につける柳の2.95とは大差がついている。
近年のプロ野球で抜群の投手成績を挙げた投手として思い浮かぶのは、2013年の田中将大投手だろう。28試合に登板して驚異の24連勝。防御率1.27というとてつもない成績を残した。ただ、今季の山本は勝ち星こそこの年の田中には及ばないものの、指標を見れば、それに匹敵する投球内容を示している。
2013年に記録した田中の「K%」は22.3%、「K-BB%」は18.4%となっており、山本はこれを上回る。さらには被打率.218、「WHIP」も0.94となっており、今季の山本の方が上だ。2013年の田中は、6回自責点3以内のクオリティスタートの率が「100%」、「HR/9」は0.25と山本より優れているが、多くの指標では山本の方が上だ。
エース・山本の獅子奮迅の活躍が光るオリックス。主砲の吉田正尚外野手が骨折で離脱となる中で、25年ぶりの優勝をつかみ取れるだろうか。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。