群を抜く鈴木誠也、指標に優れる今永昇太 セイバー的視点で見る9月月間MVP

ヤクルトは打線全体で優れた成績を見せていた

 そんなセ・リーグの9月の「月間MVP」をセイバーメトリクスの指標で選出してみる。NPBが選出する月間MVPの基準は打者の場合、得点圏打率や猛打賞回数なども加味されるが、基本はNPB公式記録が用いられる。ただ、打点や勝利数といった公式記録は、セイバーメトリクスでは個人の能力を如実に反映する指標と扱わない。そのため、どれだけ個人の選手がチームに貢献したかを示す指標で選べば、10月6日に発表される予定の月間MVPとは異なる選手が選ばれることもある。

【打者部門】

 打者評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりも、どれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」を用いる。

 各チームのwRAA上位3人は以下の通り。

巨人 坂本勇人11.22 松原聖弥5.20 岡本和真1.40
阪神 大山悠輔6.59 糸原健斗5.18 近本光司4.47
中日 京田陽太3.80 木下拓哉1.89 高橋周平1.69
DeNA オースティン8.51 宮崎敏郎8.28 桑原将志6.66
広島 鈴木誠也23.00 西川龍馬8.08 菊池涼介4.39
ヤクルト 村上宗隆11.77 山田哲人7.35 塩見泰隆4.97

 巨人の貢献度2位には松原が入った。松原は育成選手としてセ・リーグ初の2桁本塁打を記録、また巨人の育成出身の選手として初の規定打席到達も達成した。好調ヤクルトの打線の核となる村上は今月もwRAAで10を超える貢献を示し、上位打線を形成する選手がすべて好成績を残している。

1番 塩見泰隆 OPS.853 3本 wRAA4.97
2番 青木宣親 OPS.714 2本 wRAA1.92
3番 山田哲人 OPS.902 6本 wRAA7.35
4番 村上宗隆 OPS.984 6本 wRAA11.77

 また、打率は低いものの月間4本塁打のオスナとサンタナも相手投手の脅威となっている。

 DeNAも上位打線が好調である。例えば、9月29日のオーダーで見ると

1番 桑原将志 OPS.862 3本 wRAA6.66
2番 佐野恵太 OPS.817 3本 wRAA5.59
3番 牧秀悟 OPS.870 5本 wRAA5.33
4番 オースティン OPS.974 6本 wRAA8.51
5番 宮崎敏郎 OPS.948 4本 wRAA8.28

 と5番までのwRAAが5以上と大きな貢献を示している。ただ、その後を打つソトがwRAA-6.48と9月が不調であったことがマイナス要素となってしまった。

鈴木誠也は打率、本塁打、出塁率などほぼ全ての指標でリーグ1位

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