大谷翔平との長期契約は「最も魅力的で複雑」 エンゼルスがタイミングを探るワケ
FAまで2年、大型契約をオファーするタイミングに見えるが…
米大リーグのレギュラーシーズンが3日(日本時間4日)に終わり、選手の契約へ目が向き始めている。米国最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」は、「ショウヘイ・オオタニはエンゼルスとの長期契約の交渉に前向き」と題した記事をアップし、エンゼルスと大谷翔平投手との契約交渉に潜む“難しさ”を指摘している。
大谷は今年2月に2年850万ドル(約9億4500万円)の契約を結んでおり、2022年の契約はすでに決まっている。記事は「オオタニが2022年も、今年に近い活躍ができると証明すれば、メジャーリーグ史上最も魅力的で、複雑な年俸調停の例になるだろう」としている。
大谷がFAになるのは2年後、2023年のオフだ。球団が早めに次の長期契約を申し出れば、一般的に1年あたりの平均額は下がる。ただ、この場合は一筋縄では行きそうにない。記事は「オオタニのFA価値を評価する難しさは多岐にわたる」としている。
理由として、投手として1年を大きな怪我なく過ごしたのはまだ今季だけであること、メジャー最初の3年間で計53回1/3回しか投げていないことをあげ「耐久性の欠如は彼にとって、明らかに危険信号であり打撃だ」と言及。しかし、“耐久性”を確認するためにエンゼルスがもう1年待ち、もし来季も今年並みや、超えるようなプレーを見せれば、市場価値はさらに上がってしまう。エンゼルスが契約延長を申し出るタイミングには大きなジレンマがあるというのだ。
さらにエンゼルスの懐事情を考えると、長期契約のトラウトには2022年から2030年まで毎年3545万ドル(約39億4100万円)、アンソニー・レンドン内野手にも3600万ドル(約40億250万円)を超える巨額を払わなければならず、もし大谷と長期契約を結ぶのなら、少なくとも2024年から3年間はわずか3人の選手に、計1億ドル(約111億1800万円)以上を払う必要が出てくると予測している。
エンゼルスの年俸総額は、今季の1億8200万ドル(約202億3500万円)が過去最高額だった。記事は「オオタニと長期契約を結ぶのは、それ以外のロースター編成を難しくする」と指摘。さらに「投手陣や遊撃手など補強ポイントも多い」と結ばれている。スーパースターの将来的な引き留めとチーム全体の両立を一致させることはできるのか。GMの手腕が問われるオフになりそうだ。
(Full-Count編集部)