ドラフト待つ“高校生ナンバーワン捕手” 「しょうと」の名前に父が託した思い

県岐阜商・高木翔斗【写真:間淳】
県岐阜商・高木翔斗【写真:間淳】

子どもの頃は父との二人三脚の練習が“日課”「ずっと支えてくれた」

 自宅の駐車場には打撃練習用のネットを張った。学校やチームの練習が終わると、親子でティーバッティングをするのが日課だった。中学の長期休みはクロスバイクでサイクリングへ。往復100キロを走る時もあった。高木は、息子に負けじとペダルをこぐ父の姿に「負けず嫌いですね。今も毎日10キロのランニングをしていて、まだまだ息子に負けていられないという対抗心を感じます」と微笑む。

 父のサポートを受けた高木は着実に力をつけた。「ポジションは関係なく、野球にちなんだ名前ということで翔斗(しょうと)になりました。ショートを守るのはフットワークを鍛える時くらいで、試合は捕手でしか出場したことがないです」。身長186センチ、体重90キロと恵まれた体に、遠投105メートルの強肩。「打てる捕手」として全国で知られる存在となった。

 高木は甲子園出場とプロ野球選手の夢をかなえるため県岐阜商に進んだ。秀岳館高(熊本)を甲子園に導き、数々のプロ野球選手を育てている鍛治舎巧監督が母校に戻って指揮すると知ったからだった。そして、父に託された聖地に立つ夢をかなえた。

「父は自分をプロ野球選手にしようと、ずっと支えてくれました。プロに行かせるまでは親の責任と言っています。小さい頃からの夢だったプロ野球選手になって、感謝の気持ちを伝えたいです」

 守備位置はショートではなかったが、世代ナンバーワン捕手と評されるドラフト候補の高木翔斗。2つ目の夢も手の届くところまできている。

(間淳 / Jun Aida)

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