王貞治会長の会話を“盗み聞き” 鷹リチャードが釣り竿打法で初の逆方向弾

ソフトバンクのリチャード【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのリチャード【写真:藤浦一都】

「デスパの打撃を見ているふりしてしっかり聞いていました」

■ソフトバンク 3ー1 オリックス(10日・PayPayドーム)

 ソフトバンクのリチャード内野手は10日、PayPayドームで行われたオリックス戦で、貴重な追加点となるソロを放った。7本目で初の右方向への一発は、打撃練習で盗み聞きしたヒントが生んだ。

 貴重な一発が出たのは1点リードで迎えた4回だった。2死から右中間テラス席へ7号を放ち、2点差に広げた。「千賀さんが本当に頑張っていたので打てないかなと思っていました。千賀さんが投げている時によくミスをするので」とエースを援護したい気持ちが打球をテラス席まで運んだ。

 リチャードは試合後に「今日は試してみたいことがあったんです」と打ち明けた。それは「指に遊びが出るように指でバットを持って打つ」こと。そのヒントを得たのはフリー打撃の時、ケージの斜め後ろで聞こえてきた王貞治会長と平石洋介1軍打撃コーチの会話だったという。

「デスパの打撃を見ているふりしてしっかり聞いていました。『釣り竿を持つような感覚で』という話だったのでそれをやってみようと。すごく感じが良くて、周りからも『おお、いいやん』って感じで。小久保ヘッドからからは『お前はそれくらい打たないとダメ』と言われましたけど」

 これで7本。リチャードは「あと3本打ちたいですね」とシーズン2桁本塁打に意欲を燃やす。残り試合は少ないが、新たな秘技を身につけたリチャードが2桁本塁打を“釣り上げる”可能性は高いかもしれない。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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