「残酷な世界へようこそ」 ドラフト指名選手へ…川崎宗則が説く“プロの心構え”
求められる自律「スポーツでお金をもらうっていうことは、そういうこと」
「入ってから、地獄が待ってるから。バケモンがいるから。もう、別世界だよね。楽しみにしてほしい部分もあるけど、『プロ野球という、残酷な世界へようこそ』だよね。野球が上手いヤツらがバーンって集まって、勝負するわけだから」
入団直後に絶望を感じた自身の経験を踏まえ、厳しくも愛ある言葉を贈る。ただ働けば、給料がもらえる世界とは違う。他者より劣っていると判断されれば、3年やそこらでユニホームを脱がされる。「入ってからは自分次第。上手く自分をマネージメントしてほしい。スポーツでお金をもらうっていうことは、そういうこと」。1日でも長くプレーしたいなら、1日でも早く自律するほか、生きる道はない。
現在所属するルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスにも、NPB入りを目指して奮闘する若手が多い。問われれば、助言は惜しまない。日本、米国、台湾でプレーしながら不惑を迎えても、変わらないプロの信念がある。「もらっている給料に対し、責任を持っていいプレーを見せる。そしてファンに『あの選手いいね、応援しよう』と思ってもらわないといけないよね」。NPBの世界で羽ばたこうとする“金の卵”たちが、球界を賑わせてくれることを切に願う。
(小西亮 / Ryo Konishi)