阪神はなぜ失策が多いのか? データで浮き彫りになる守備力だけではない原因

阪神・伊藤将司、西勇輝、青柳晃洋(左から)【写真:荒川祐史】
阪神・伊藤将司、西勇輝、青柳晃洋(左から)【写真:荒川祐史】

エラーの多さに繋がる投手陣の特徴とは…

 その特徴とは、投手陣の奪三振の少なさだ。今季、投手陣は4980人の打者と対戦し、奪った三振は924個。これは12球団で最も少ない。首位のヤクルトは阪神よりも少ない4852打者と対戦して、リーグトップの1054三振を奪っている。奪三振割合を示す「K%」は17.1%で、リーグでは広島に次ぐ5位となる。

 阪神には“打たせて取る”タイプの投手が多い。9回で奪う三振割合を示した「K/9」で見ると、規定投球回に到達している青柳晃洋が6.11、西勇輝は5.95と6個前後。ルーキーながら8勝をマークする伊藤将司も5.01と高くない。リリーフ陣を含め、今季10試合以上登板している投手で「K/9」が9を超えるのは2人だけ。ヤクルトは9人と、差は明らかだ。

 さらに言えば“ゴロ投手”の傾向が強い。先発、救援ともに打球のゴロ割合は12球団でトップ。投手陣全体でのゴロ割合は50.1%となり、12球団で唯一、50%を超える。阪神は野手の元に打球が飛ぶ回数、つまり守備機会が多くなるチームであり、かつ、ゴロが多い球団ということだ。

 ゴロの処理が多球場に比べて難しい甲子園を本拠地としている上に、投手陣の特徴としてゴロが多くなる。そして選手個々の守備力と、阪神の失策数が増えるのはさまざまな要因が絡んでいると言えそうだ。

(Full-Count編集部)

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